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検温を思い出に。Thermo Selfie「宣伝会議賞」活用レポート

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まだ知られていない「ハイテク」な技術を、クリエイティブとPRの力で「言語の壁を超えた」エンターテインメントコンテンツへと昇華し、その魅力を世界中へと発信することを掲げるテックエンターテインメントレーベルHYTEK。

HYTEKが博報堂アイ・スタジオとともに開発した「Thermo Selfie(サーモセルフィー)」は、コロナ禍で日常的な動作となった“検温”を、単なる義務ではなくエンタメ化し思い出へと変えるプロダクトだ。

3月10日実施した第59回「宣伝会議賞」の贈賞式では、「Thermo Selfie」を会場に設置。

本記事ではその様子と「Thermo Selfie」に込められた思いや今後の構想をレポートする。

※HYTEKおよび博報堂アイ・スタジオは、宣伝会議運営の第59回「宣伝会議賞」贈賞式におけるテクニカルパートナー企業です。

その時の“体温”も思い出。オリジナルフォトカードにプリント

「Thermo Selfie」は検温と共に撮影を行い、“写真”と“その時の体温”をフォトカードにその場で印刷。正常体温を証明できる顔写真つき入場パスになると同時に、フォトカードを持ち帰り、思い出とすることもできる。

カードのデザインは表裏ともにカスタマイズ可能。「宣伝会議賞」でもオリジナルロゴマークをカードに印字。
会場では、楽しみながら検温を実施し、フォトカードを記念として持ち帰る来場者の姿が多く見られた。

体温の計測を行い、基準値内であれば撮影を実施。

体温が印字されたフォトカードがその場でプリントされる。


検温を“義務”ではなく、より気持ちを盛り上げる体験に

「Thermo Selfie」はどのような経緯で誕生したプロダクトなのか。

コンテンツプロデューサーを務めたHYTEK代表取締役の道堂本丸氏は、コロナ禍で大きな影響を受けたエンターテインメント業界に、明るさ、楽しさを提供したいという思いがあったと話す。

「リアルイベントが再開されつつありますが、コロナ以前は行われていなかった検温や消毒などが入場時に必要になっています。本来、イベントの入り口は、これから始まるイベントに対して一番テンションが上がっている、高揚している状態。その際に『検温しなければならない』などと義務的に感じてしまうことが、せっかくの体験を阻害しているように感じていました。そこで、検温をしつつイベントに対して盛り上がる気持ちをそのまま持続させる、もしくはさらに盛り上がりを高めるような体験をつくることができないかと、当社のクリエイターが企画したことが『Thermo Selfie』開発のきっかけになります」と道堂氏。

「Thermo Selfie」の開発・運営に携わるHYTEKと博報堂アイ・スタジオのメンバー。

近年ではイベントのチケットがQRコード化するなど、来場者が持ち帰ることができる“物”が少なくなっていることにも着目。そこで、“持ち帰りたい”“記念に大切にしたい”と思ってもらえるよう、フォトカードに使用する紙は重厚感のある上質なものを採用。

筐体は表面をパネル式にし、簡単に取り外せるように設計することで、様々なイベントのオリジナルデザインに変更できるようにするなどの工夫も施されている。

また、博報堂アイ・スタジオのプロダクションプロデューサー吉澤康隆氏は、「Thermo Selfie」について、「イベント体験と掛け算をしやすい構造をしている」と話す。

「フォトカードの表面の余白部分や裏面はデザインを自由にカスタマイズできるため、QRコードを付けてイベントに対するアンケートやキャンペーンページに誘導することもできます。また、特定の枚数にアタリを付ける、サイン入りカードをつくるといった企画を付与しやすいです。お正月はおみくじ付きなど、季節感を取り入れることもできますね。イベント自体の体験との掛け算でより新しい体験をつくりだせると思っています」(吉澤氏)。

博報堂アイ・スタジオのエンジニア星野圭祐氏は今後の構想として、「会場の入場システムや予約システムなどと連携し、『Thermo Selfie』で撮影をすることでそのまま入場ができる仕組みなども検討しています。また、写真にフィルターを付けるなどにより、エンターテインメント性を向上させることもできると考えています」と話す。

「Thermo Selfie」は、今回の「宣伝会議賞」贈賞式のようなリアルイベントのほか、ポップアップショップの入り口や、結婚式のウェルカムスペースに設置されるといった使われ方も。

また、イベントではなくオフィスでの日常的な使用においては、テレワーク導入で、皆が顔を合わせる機会が減少した現在において、出社した際に互いのフォトカードを目にすることで、コミュニケーションのきっかけを生み出しているという。

HYTEKでは今後も時代の変化をとらえ、技術とクリエイティブの力を掛け合わせたエンターテインメントコンテンツによって、人々に新たな体験を提供していく。