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富士通グループが取り組む販促コンペを活用したクリエイティブ思考の実践

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富士通グループ内のコミュニティ「やわらかデザイン脳になろう!😄明日のシゴトが楽しみになる初めの一歩👍(通称:やわデザ)」では昨年から販促コンペに取り組んでいる。その背景について、コミュニティを立ち上げた富士通の加藤正義氏と販促コンペに挑戦する共創プロジェクトを立ち上げた久我聡子氏に話しを聞いた。

※本記事は、2022年6月1日発売の『販促会議』7月号の転載記事です。

第14回販促コンペ公式サイトはこちら

 

富士通
デザインセンター
経営デザイン部
加藤正義氏

頭と組織をクリエイティブにするために、マインドマップやデザイン思
考を10年以上実践。対話を中心とした創造的な場(ワークショップ)づ
くりを得意とする。2020年から富士通グループの変革を目的とした社
内横断コミュニティづくりに挑戦中。

 

富士通
デジタルシステムプラットフォーム本部
IT投資マネジメント統括部
グループシェアードサービス部
久我聡子氏

富士通グループ内で、マイクロソフト社が提供する社内SNSサービス「Yammer」の活用促進を担当。2021年度から「やわらかデザイン脳になろう!😄 明日のシゴトが楽しみになる初めの一歩👍(通称:やわデザ)」コミュニティの運営をサポート。

 
富士通グループでは2019年9月に発表した経営方針において「IT企業からDX企業への転換」を掲げ、その実現に向けて社内でも組織体制が大きく変わった。こうした会社の方針を受け、社員の中からボトムアップ的に生まれ、大きく成長しつつあるのが富士通グループを横断したコミュニティ「やわらかデザイン脳になろう!😄 明日のシゴトが楽しみになる初めの一歩👍(通称:やわデザ)」だ。

デザイン思考を楽しく学ぶコミュニティ

「やわデザ」が生まれたのは2020年7月、加藤氏が開催した社内向けセミナー「やわらかデザイン脳をつくるマインドマップ~初めの一歩~」がきっかけとなる。

「富士通グループは、DX企業への転換を掲げ、制度やシステムを刷新するだけでなく、社員のマインドセットまでもアップデートしようと、さまざまな取り組みが行われています。その先駆けとして、デザイン思考に関連したオンラインセミナーを試しに開催することとなりました」と加藤氏は話す。セミナーを告知したところ、早々に 1000人を超える申し込みが集まった。

「セミナー内でアンケートを取ったところ、多くの参加者が富士通グループに『やわらかデザイン脳』が必要だと感じていました。そこで、以前から構想していた「誰もが “デザイン” を身近に感じられるコミュニティ」に発展できるのではないかと考え、セミナーのタイトルを生かしたコミュニティを立ち上げ、セミナーに参加した社員に参加を呼びかけました。現在『やわデザ』は富士通グループの社内SNS(Yammer)で3000名を超えるメンバーが参加しており、日々増え続けています」(加藤氏)。

デザイン思考を実践する新たな試み

「やわデザ」ではコミュニティ内でセミナーや対話型イベントなどが多数開催されている。その中で昨年より「販促会議 企画コンペティション」に取り組むプロジェクトが立ち上がった。

プロジェクトを立ち上げた久我氏は「『やわデザ』では『デザイン思考』を それとは意識せずに楽しく実践できる 読書会や勉強会などを開いてきました。考えた企画はコミュニティ内に投稿。プロジェクトには参加していないコミュニティ参加者からも、多くのフィードバックを受けてブラッシュアップを重ねた。こうして学んだ知識をもっと生かせるのではないかという思いで『販促コンペ』にチャレンジするメンバーを募りました」と話す。

「実際の企業が出す課題ということで実践的ですし、賞金もチャレンジするモチベーションにつながります。昨年は20人前後で課題にチャレンジしました」と久我氏。プロジェクト内では情報共有会を行い、各チームが調べたことやアイデアを披露し、フィードバックを受けて企画に落とし込んだ。また、実際に企画書形式にした後、「やわデザ」のコミュニティに投稿し、全国の職種が異なるさまざまなメンバーからフィードバックを受け、ブラッ シュアップしていったという。

「専門性も勤務場所も異なる富士通グループ社員が壁打ち相手になってくれることで、企画の精度も高まったと思います。プロジェクト内で取り組んだ 1 作品は、一次審査を突破することができました」(久我氏)。

考えた企画はコミュニティ内に投稿。プロジェクトには参加していないコミュニティ参加者からも、多くのフィードバックを受けてブラッシュアップを重ねた。

コミュニティを起点に広がるデザイン思考

「本来、『デザイン思考』とは実践の中で磨き続けていくものです。そうした意味で、リアルな課題に取り組み、専門家に審査してもらえる『販促コンペ』は非常によい機会になりました。また、組織を横断した共創によってコミュニティの価値を改めて実感できたと思います」と久我氏は振り返る。本年もプロジェクトが動いており、すでに30名以上が「販促コンペ」に取り組んでいるという。

加藤氏は今後の展望について「『やわデザ』コミュニティに参加することによって、立場や職種などを超えた多くの社員と『つながり』ができ、その結果たくさんの『学び』や『気づき』が得られる場になっています。そうした中で、富士通グループのビジネスにもっと貢献したい、というニーズが多数あることが分かりました。
そこで、昨年末新しい『やわデザ』として『やわらか社会をデザインしよう ! 』というコミュニティをオープンしました。今後は社会課題をテーマにしたイベントや他企業との共創にも取り組んでいきたいと考えています」と語った。

初年度は一次審査を突破したチームも。2年目となる今年も広くプロジェクト参加者を募り、
30名以上がすでに「販促コンペ」の課題に取り組んでいる。

「やわデザ」活動の様子を公開している公式noteはこちら