コピー年鑑はよくコピーの先生、教科書といわれるけれど、私にとってはちょっと違う。そもそもコピーに教科書なんてあってはまずいんじゃないかと思ってる。そういう仕事じゃない気がするのです。
じゃあなぜ私はコピー年鑑を開くのか?それは、いいコピーの気配を感じるため。スタンス、たたずまい、オーラ、テイスト、エネルギーなど。文字の向こうにあるコピーライティング魂を感じるため。理屈でなく。ハウツーでなく。左脳でなく。
思えば新人の頃からそうでした。年鑑を開く。自分にピピッとくるコピーと出会う。この人はなんでこんなフォームでこんな魅力ある言葉を書くの?そう感じた感覚をそのまま自分の中に入れ込み、自分の中でごちゃごちゃと試行錯誤してアウトプットする。つたなくても自分の言葉になりますように。影響を受けて影響を育てるような。感覚は受け継ぐけど、出てくる言葉は違うでしょう。
ものごとは、発信の前に受信がある。コピーライターは何を受信するかが大切。日々の生活でただ生きてるだけで、いっぱいコピーのもとを受信してるはず。さてそれをどう発信しようか?そのときコピー年鑑。教科書としてでなく、自分を刺激してくれる素材として。新たな扉を開くきっかけツールとして。コピーライティングの情熱をリレーしていく装置。それが私にとってのコピー年鑑かな。
児島令子 こじま・れいこ
TCC1987年入会
児島令子事務所。コピーライター。earth music&ecology「あした、なに着て生きていく?」「共感と反感は、仲間である。」、LINEモバイル「愛と革新。」、サントリーTHE STRONG「刺激以外は、いらんのだ。」、サンスター「口は、生きるの1丁目。」、日本ペットフード「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」、パナソニック「私、誰の人生もうらやましくないわ。」など。
※六本木「文喫」にて「ことバー Presented by TCC」が開催中です。
開催期間:2022年4月27日(水)~6月5日(日)
営業時間:9:00~20:00(L.O. 19:00)
観覧料:入場無料
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『コピー年鑑2021』東京コピーライターズクラブ (編集)
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