コラム

コピー年鑑と私

コピーの教科書ではなくて。(文・児島令子)

share

東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体である東京コピーライターズクラブ(TCC)。「TCC賞」応募作品の中から、コピーの最高峰を選ぶ広告賞「TCC賞」の入賞作品と優秀作品を収めた『コピー年鑑』は1963年に創刊、2022年度で60冊目を迎えます。各年鑑はその時々の時代性を広告という側面から反映した貴重なものとなっており、特に、コピーに関してはバイブル的存在として受け入れられています。
そんな『コピー年鑑』をテーマに、本コラムではTCC会員であるコピーライターやプランナーが執筆。第14回目は、earth music&ecologyの広告などを手がけており、2021年度のTCC賞審査委員長を務めた児島令子さんです。

コピー年鑑はよくコピーの先生、教科書といわれるけれど、私にとってはちょっと違う。そもそもコピーに教科書なんてあってはまずいんじゃないかと思ってる。そういう仕事じゃない気がするのです。

じゃあなぜ私はコピー年鑑を開くのか?それは、いいコピーの気配を感じるため。スタンス、たたずまい、オーラ、テイスト、エネルギーなど。文字の向こうにあるコピーライティング魂を感じるため。理屈でなく。ハウツーでなく。左脳でなく。

思えば新人の頃からそうでした。年鑑を開く。自分にピピッとくるコピーと出会う。この人はなんでこんなフォームでこんな魅力ある言葉を書くの?そう感じた感覚をそのまま自分の中に入れ込み、自分の中でごちゃごちゃと試行錯誤してアウトプットする。つたなくても自分の言葉になりますように。影響を受けて影響を育てるような。感覚は受け継ぐけど、出てくる言葉は違うでしょう。

ものごとは、発信の前に受信がある。コピーライターは何を受信するかが大切。日々の生活でただ生きてるだけで、いっぱいコピーのもとを受信してるはず。さてそれをどう発信しようか?そのときコピー年鑑。教科書としてでなく、自分を刺激してくれる素材として。新たな扉を開くきっかけツールとして。コピーライティングの情熱をリレーしていく装置。それが私にとってのコピー年鑑かな。

児島令子 こじま・れいこ
TCC1987年入会

児島令子事務所。コピーライター。earth music&ecology「あした、なに着て生きていく?」「共感と反感は、仲間である。」、LINEモバイル「愛と革新。」、サントリーTHE STRONG「刺激以外は、いらんのだ。」、サンスター「口は、生きるの1丁目。」、日本ペットフード「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」、パナソニック「私、誰の人生もうらやましくないわ。」など。

※六本木「文喫」にて「ことバー Presented by TCC」が開催中です。
開催期間:2022年4月27日(水)~6月5日(日)
営業時間:9:00~20:00(L.O. 19:00)
観覧料:入場無料

関連記事
歴代のコピー年鑑59冊を展示、TCCが「ことば」尽くしのイベントを文喫で開催

関連リンク
『コピー年鑑2021』東京コピーライターズクラブ (編集)

 

Follow Us