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コラム

わかさ生活中の人の“愛され”企業SNSの極意

企業のSNSに対する向き合い方

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はじめまして。わかさ生活 広報部(@WAKASASEIKATSU)です。

フォロワーの皆さんからは、「わかささん」「中の人」や、X(旧Twitter)で自分の姿を現すときは馬の被り物を被っていることから「馬さん」「馬」など、様々な呼び名で呼ばれています。いわば「吾輩は馬である。名前はまだない。」を具現するような状況です。

運営を初めて約3年。わかさ生活に新入社員として入社し、3カ月が過ぎた頃から会社のX運用を任せてもらい、今日までがむしゃらに投稿を続けてきました。

写真 わかさ生活広報部 Xのポスト

馬の被り物を被った“中の人”による、自由で予測できない投稿内容は、企業アカウントでありながら多くのファンに愛されている。

それらの経験から思うのは、自分は本当に変わり者だということです。多種多様な人間が生活するこの社会で、“普通”という2文字で括ること自体がナンセンスなことだと考えていますが、自分は間違いなく普通じゃない方の人間。変わり者なのだと思っています。

入社して以降、毎年のように「会社のSNSを運用したい」と希望する学生を何人も見てきました。しかし、そのうち、どれほどの新入社員が3年間、毎日投稿を続けられるのでしょうか?

今まで社内あった前例を変えることは難しく、周りの理解を得るのが大変だったり、匿名ユーザーからは、心ない言葉を浴びせられたり。アカウントの悪口が書かれている掲示板を見て、寝られない日々が続いたり…。

写真 わかさ生活広報部 Xのポスト

写真 わかさ生活広報部 Xのポスト

時には悩むことも、疲れることもある中の人。

普通の会社員では経験できないことを、新卒の時からたくさんしながら毎日欠かさずに投稿を続けてこれたことは、貴重な経験だったと今になって思います。

運営を任された当初は、このようなコラムを書かせていただく機会が舞い込んでくるとは考えてもいませんでした。会社という枠を飛び越えて社外の人に評価していただき、チャンスをいただけるなんて思ってもみなかった。なぜなら自分は、運営を始めて1週間しか経たない頃には「会社をどうやって辞めよう」「とんでもない事を任されてしまった」と思っていた人間だから。

前置きが長くなってしまいましたが、これから連載として掲載いただくこのコラムで、新入社員が自分の望み通りの職につけたものの、様々なしがらみなどと葛藤しながら、色々なことを考え、少しずつ一歩ずつ成長を重ねてきた様子が少しでも伝わればいいなと思います。

 

「好き」や「共感」が集まるXという場に企業が入れてもらうには

昨今、日本にある会社の多くがSNSの公式アカウントを保有しています。誰もが知る大手企業、BtoC企業、BtoB企業、さらに、業種をカテゴリーごとに分けると、じつに多種多様です。

また、SNSには、X、Instagram、Facebook、YouTubeなど、多くのプラットフォームがあり、これからも増えていく可能性があります。私はそれぞれの特徴が大きく異なるこれらプラットフォームをSNSという言葉で一括りにすることがあまり好きではありませんが、俗にSNSと呼ばれるプラットフォームが数多くこの世に存在しています。

そのうち、大半の企業はこれらのSNSについて、こう思っているのではないでしょうか?

「無料だし、やらなきゃ損」

これまで企業が宣伝する方法は大きく2種類。多額の費用を使い、自社で内容をコントロールしメディアに露出する「広告」と、自社の情報・取り組みなどを上手く使い、取材や報道という形で露出する「パブリシティ」でした。

広告は内容や露出時間、場所をコントロールできますが多額な費用がかかります。パブリシティは費用をかけずに露出ができ、第三者の報道という側面でも信頼が高いものの、広告ではないため、時間や場所、内容も自社でコントロールすることができません。

そんななか、多額な費用を使わず自社が伝えたいことを自由に発信できる場、SNSが登場したのです。

これらの流れを考えると、「企業が無料の広告枠を得たとばかりに、自社の宣伝を一方的に発信すること」はごく普通の流れなのかもしれません。ただし、多くの人はこう思っているのではないでしょうか?

「企業の広告なんてうっとうしい」

もちろん、好きなタレントが起用されたCM、好きなブランドの商品などの広告は目に入るかもしれません。ですが、それ以外はどうでしょうか?

企業からの一方的な言葉で埋もれた今の時代。「脳が無意識に広告だと判別し、その情報を取り入れない」。そんな人も多くなっているのではないでしょうか?

という私も、広告を脳が勝手にブロックする能力を持ちあわせています。Xで通常の投稿と共に流れてくる広告を瞬時に見極め、脳が勝手にブロックして情報を取り入れないのです。

今や、日本人の5000万人近くの人が使用していると言われているX。ここをどういう場所か、簡単にまとめると、私は「好き」や「共感」が集まる場所だと考えています。

Xは、基本的に無数のコミュニティから成り立っています。好きなタレント、アイドル、アニメ、スポーツチームなどの好きで繋がったり、同じ価値観を持った人が自然と集まりニュースに物申したり、愚痴をこぼしてみたり…。使い方はじつに多種多様で、無数の好きや共感などで繋がっている世界なのです。

もちろん、我々のような企業アカウントが好きだとフォローして下さる方々もいますし、その逆もしかりです。そんな好きや共感で繋がり、無数のコミュニティから形成されるXで、企業アカウントを気にかけてもらい仲間に入れてもらうには、「ユーザーに寄り添う姿勢」が何より大事になってくるのだと思います。

「この発信で、置いてきぼりになるフォロワーは居ないか?」

「初めて見た人にとってわかりやすい言葉になっているか?」

このような複合的な視点から、私はあらゆる要素を天秤にかけ発信を行っています。

入社1年目の頃からこのXを通じ、他社の方とお会いする機会を数多くいただいてきました。そんななか、他社の皆さんからよく耳にするのは「社内でSNSの運用を理解して貰えない」という言葉でした。直接伝えることはありませんが、「確かにその運用だと理解されないですよ…」と思ってしまったり、「上の方のSNSへの理解がそれでは大変だな…」と思うパターンなど、各社様々です。

では、このような時代に企業はどのように消費者と関係を築けばよいのでしょう。

今の時代はすでに多数のツールが発達しており、いうならば消費者が好きな情報を選んで受け取ることができる時代。これからの時代で最も大事になっていくのは、消費者の視点に寄り添った双方向のコミュニケーションだと思います。

「SNSは単なる自社に都合がいい、無料広告ツールではない」

そう気付くことができた企業から、この時代にSNSを上手く使い、愛されるような存在になっていくのではないでしょうか?

初回は、Xをはじめとする企業のSNS活用について、私がどのような考えを持っているかをお話ししました。次回は、わかさ生活 広報部の“中の人”になるまでの経緯を、就職活動中に考えていたことから話していければと思います。

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わかさ生活 広報部 X(旧Twitter)中の人

2020年にわかさ生活に入社。入社からわずか3カ月で公式Twitterの担当を任される。その運用方法は企業のTwitter運用事例として取材を受けるまでに成長。2021年には、ねとらぼ「企業ツイッターの中の人」人気ランキングで1位を受賞。好きな食べ物は、海老・タコ・貝・カニ・塩タン。美容室専売品のヘアケア商品が好き。好きな野球選手は川崎宗則。