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西友がお笑い賞レース ブランデッド番組の試金石となるか

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西友は7月20日、お笑いのネタの面白さを競う、いわゆる「賞レース」を吉本興業と共同で開始した。「M-1グランプリ」など大型の賞レース決勝進出者などが参加し、「安くてお得なスーパーSEIYU」をテーマにした漫才やコントを披露する。

Twitterを用いて一般投票を受け付けるほか、YouTubeで最終審査を実施するライブ配信を行う。テーマである西友の「安さ」「お得さ」の浸透を狙う。

企画名は「スーパーお笑い大賞~おもろいやつが得をする~」と題した。参加するお笑い芸人には、「M-1グランプリ2021」4位の「ロングコートダディ」や同5位の「もも」、「キングオブコント2021」4位の「ニッポンの社長」、同5位の「ジェラードン」など、今後のブレイクが期待されるコンビを集めた。芸歴19年の「ジョイマン」や、近年露出を増やしている「鬼越トマホーク」も参戦する。

20日にTwitterの西友公式アカウントで各コンビのネタの短いバージョンの動画を投稿。「いいね」と「リツイート」の数を競い、上位から100点〜85点を獲得する。8月1日にはYouTubeのライブ配信でフルバージョンを披露し、審査員の採点によって優勝者を決める。

審査員は徳井健太さん(平成ノブシコブシ)、久保田かずのぶさん(とろサーモン)、佐藤哲夫さん(パンクブーブー)。優勝者には西友のWebCMの出演権と、プライベートブランド365商品を贈る。

核となるターゲットは西友の商圏内で生活する消費者だが、「お笑いの賞レース」という、よりポピュラーな建て付けで、広くアプローチを図る。第一段階はTwitterで公開するネタ動画による話題の広がり。第二段階はYouTubeのライブ配信で、配信そのものや優勝者が決まることのニュース化を狙う。第三段階は優勝者を起用したWeb CMで、賞レース開催後も広告として活用する。

Twitterではネタ動画に対する一般投票を受け付けている

企画・プロデュースは猿人(ENJIN TOKYO)。クリエイティブディレクターとプランナーを務めた同社の野村志郎氏は、賞レース番組への協賛と今回の企画の違いについて、「コンテンツそのものに(西友の)ブランドが入り込める点」と話す。

「物価高を実感する人が増える中、ことしは西友の『価格の安さ』『お得さ』をいかに広め、来店していただくかを目標にコミュニケーションを展開している。『スーパーお笑い大賞』も伝えたいメッセージとしては同じで、そのために本気の賞レースとして実施することに気をつけている」(野村氏)

企画の設計や狙いは、参加芸人に直接オリエンテーションを実施した。“広告だから”と気を回させてしまい、無難でつまらないネタにならないようにするためだ。

「『安くてお得なスーパーSEIYU』」というテーマなど最低限の条件や制約のほかは、『自由に面白くしてください』と伝えた。視聴者を楽しませることを至上命題としたネタがブランド接点となる、その点がとても重要な企画」(同)

最終決戦を「事前収録ではなく、観客を入れたライブ配信の番組で実施する点も、『本気の賞レース』であることの現れ」と野村氏は話す。テレビ局こそ入っていないものの、「番組」として作り上げるために、バラエティ番組を手がけるディレクターも起用している。予算は非公表とした。

テレビでネット配信動画を見る人が増えていることも背景にある。電通が2021年9月に実施した調査では、テレビ受像機をインターネットに接続している人は2019年の32.7%から、21年は6.7ポイント増の39.4%に伸長した。1カ月以内にテレビでネット動画を視聴した人は26.7%で、19年から9.0ポイント増加している。回答者は15~59歳の男女3031人。

「テレビデバイスによるYouTubeなどオンライン動画を視聴する傾向は、ここ最近でも非常に伸びていると実感している。『スーパーお笑い大賞』も、食卓を囲みながら、大画面でご覧いただきたい」(同)

YouTubeライブ配信「スーパーお笑い大賞〜おもろいやつが得をする」は、8月1日、夜7時から