BtoB企業の、自分ごと化してもらうコミュニケーションとは

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『広報会議』2022年11月号(9月30日発売)の特集では、BtoB企業の広報活動において、どのような切り口や手法が考えられるのか、広報事例を紹介するほか、広報担当者の疑問に専門家が答えています。今号からステークホルダーへの影響を生み出し、社員を鼓舞するBtoBの企業広告の新連載「BtoBの企業広告のその後」がスタート。第一弾では、広告掲載後の反響や効果をUACJ様にお聞きしています。
※本記事は『広報会議』2022年11月号の転載記事です。

ごみ山のなかにあるアルミ缶のタブが特徴的なこの企業広告は、2013年に古河スカイと住友軽金属工業が統合して誕生した会社、UACJが出稿したもの。メインターゲットは潜在顧客や潜在株主となりうるビジネスパーソン、サブターゲットには採用活動などの観点から学生を設定した。

同社のアルミニウム板材のシェアは国内トップであり、業界内での認知は高いが、統合以前と比べた時の認知度低下や、企業としてのコミュニケーション不足が課題だったという。

本広告は、脱炭素の潮流のなかで、アルミニウムの製造・加工、そしてリサイクル促進を通じて環境負荷低減の実現に努めていることをアピールしたもので、ビジュアルは「アルミ缶のなかをのぞくと、持続可能で豊かな世界が広がっている」というイメージで作成された。ごみがごみと一目で分かるかつ、生々しくなりすぎないように、様々なパターンを検証。ごみをどのくらいの大きさで表現するか、ショベルカーをどのくらい見切れさせるかなど、細部までこだわり、世界観をつくっていった。

BtoB企業でも自分ごとに

結果として、従業員からは、「企業としての姿勢を改めて社会にアピールできたのではないか」「従業員として誇らしく思う」といったコメントが。実際に、「自身が取り扱っている商材に深く関連している」と感じて、愛着を持ってくれているそう。

新聞広告掲載後の調査でも、同社の他の広告掲載時と比較して、「共感できる」「説得力がある」「良い広告を出していると思う」と良い反響があることが判明。アルミニウムという身近にありながら意識されにくい素材であっても、自分に向けた広告として捉えてもらうことができた。

また、「2021日本BtoB広告賞」では新聞広告の部で、金賞を受賞。「アルミニウムの再生率が非常に高く、廃棄物削減や地球環境問題に対応する素材だということがよく分かる。直接的には訴求していなくとも、読み手にはSDGsを背景に感じさせる作品となっている」との評価を得た。

今後も企業広告をはじめとするコミュニケーションツールを活用し、持続可能な社会の実現に向けた企業の姿勢を改めて表していくという。

DATA
社員数:9571名(グループ全体)
出稿先:一般紙、経済紙、業界紙、業界誌など
広告運用部門:総務・広報部
広報体制:総務・広報部 広報グループにて、展示会や販売促進も含む社外広報を担当。
新しい風土をつくる部にて、社内広報を担当。

広報会議2022年11月号


【特集】持続的成長に結びつく
BtoB広報の実践

 
GUIDE1 
BtoB企業の広報、重要度が増す理由は
何を発信するべきか
山田まさる
 
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COLUMN
・ 広報未着手の企業、まず何から取り組む?
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CASE6 鉄骨切断の迫力動画で潜在顧客へアプローチ タグチ工業
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CASE10 「地震犠牲者ゼロ」目指すトップメッセージ Aster
CASE11 農業をアフリカへ、現地の課題を示す 唐沢農機サービス
 
GUIDE2
広報活動の社内理解を得るには
メディア掲載を増やすコツ
日高広太郎(広報コンサルタント)
 
COLUMN
・BtoB企業の記者発表会のポイント
・メディア露出を高めるプレスリリース素材
ほか


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