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ECの売れ行き支えるオウンドメディア 社内広報にも寄与

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月刊 『広報会議』では、企業のオウンドメディアにフォーカスした『オウンドメディアの現場から』を連載しています。今回は眼鏡専門店チェーンを展開している愛眼が運営する「Aigan STYLE」について、制作の戦略や狙いを聞きました。
※本記事は『広報会議』2022年11月号の転載記事です。

愛眼「Aigan STYLE」 DATA

URL
https://www.aigan.co.jp/aigan_style/
開設
2019年6月
所管部署(うち担当者数)
営業企画室(2人)
ターゲット
日頃の悩み事をウェブで検索するリテラシーが高い世代である30~50代の男女
CMS
Clipkit
制作体制
月1回、協力会社の編集チームと定例会を実施。PV数や送客率の高い記事の確認や前月までとの比較を行う。取り上げるキーワードや企画は、季節や新商品に連動するように決定。企画立案や内容決定は愛眼の担当者が主導で行い、取材やライティング、モデルや撮影のアテンドなどは外注。記事内容確認や取材対応は社内での協力体制もとっている。
総記事数
約250本(2022年9月末時点)
更新頻度
月4本のSEO記事と、月1本のプレミアム記事(自由にテーマを設定した記事)の計5本
効果測定
PV数と、コーポレートサイト・ECサイトへの送客実績(イベント数)をKPIに置く。また、Googleでのヒットキーワード数も随時追っている。

 

1961年に創業し、眼鏡専門店チェーン「メガネの愛眼」を展開している愛眼。同社が運営するオウンドメディア「Aigan STYLE」は、メガネやサングラス、コンタクトレンズ、補聴器の基礎知識や選び方、トレンド情報など、メガネユーザーのライフスタイルに寄り添うコンテンツを発信している。

ECへの高い送客率を維持

2019年6月に立ち上げた「Aigan STYLE」。同社営業企画室 吉田涼子氏は「当時はまだメガネに関するお困り事を解決するメディアが少なく、『困っている方に情報をお届けしたい』という思いから生まれました」と語る。

立ち上げ時はPV数を上げることに重きを置いていたが、記事数が増え安定して一定のPV数を保てるようになった今年からは、更新頻度を減らし内容のクオリティを重視する運用へと変更。現在は、「愛眼ブランドの確立」を目指し、ブランディングに力を入れた記事を制作している。

その一例が、店舗スタッフや本社の社員が顔出しで登場して商品を紹介する記事だ。「顔が見えることで親近感を持ってもらい、メガネ屋特有の入りにくいイメージを払拭していければと考えています」。

商品の認知拡大にも大きな役割を担う同メディア。夜間運転対応サングラスを紹介した記事は、2021年1月公開の記事ながら常に15%前後のECサイトへの送客率をキープ。また、お風呂・サウナ専用メガネなど、「Aigan STYLE」からの流入により人気商品となっているものもある。

「オウンドメディアはSNSほどの爆発力はありませんが、数年前の記事であっても安定して送客してくれる、“資産”としての強みを実感しています」。

高い送客率を維持できる背景にあるのは、同社のユニークな商品開発力だ。かけたまま寝落ちしても壊れにくいメガネや、温泉やサウナなど高温になる場所でも使用できるメガネなど、ユーザーの困り事に寄り添ったメガネを開発してきた。

「マッチョが握っても変形しない!?『スプリングラス』のしなやかなバネ性に迫る!」の記事では、不注意によりメガネが変形してしまうという悩みから生まれた、曲げやねじれに強いメガネを紹介している。

「商品そのものがユーザーのニーズから生まれているからこそ、『マッチョな人にひねりつぶされても変形が起きにくいメガネ』というストーリー性のある記事を作ることができる。商品の良さに自信があるので、押し付けがましい商品紹介の記事にはなりにくいのだと考えています」。

社内広報にも一役買う

企業ブランディングと商品の認知拡大に寄与している「Aigan STYLE」。加えて、社員・スタッフが出演する記事により社内広報にも一役買っている。

「全国にいるスタッフが顔を合わせる機会はなかなかありませんが、『遠い店舗でもこんなスタッフが頑張っているんだな』『最近会っていない同期が出演している!』と、社内連帯感の強化にもつなげる狙いがあります」。

社員・スタッフが登場した記事は、社内掲示板でも紹介。「Aigan STYLE」の社内認知度も徐々に高まっている状況だ。現在は、登場するスタッフは吉田氏がオファーしているが、社内認知度をさらに上げていくことで、社員・スタッフ側から「出演したい」「こんなテーマを取り上げてほしい」という声が上がる環境・関係づくりを目指していく。

「実際にお客様と直接コミュニケーションをとっている現場スタッフに登場してもらうことで、さらにユーザーの声に寄り添った記事づくりができると考えています。今後は、全スタッフ参加型のオウンドメディアの構築を視野に入れています」。
 

 

担当者

愛眼 営業企画室
吉田 涼子氏

広報会議2022年11月号


【特集1】
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