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可視化の先にあるKPI達成に資する仕組みづくり

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指標の統一やデータ基盤一元化の先にあるのは、マーケティング投資の最適化といった各企業のビジネスに資する領域だ。実際に「効果」をもたらす「メディアDX」の在り方について、博報堂DYメディアパートナーズの飯塚隆博氏が解説する。

月刊『宣伝会議』2022年12月号(11月1日発売)では、「メディアDX――アナログメディア×テクノロジーで活用が広がる!」と題し特集を組みました。
ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

博報堂DYメディアパートナーズ
AaaSビジネス戦略局 局長
飯塚隆博氏

1995年博報堂入社。初任はテレビスポット。その後13年メディアプラニングとプロデュースに携わり、約200社のクライアントのメディア・コンテンツ業務に関わる。その後、テレビスポットと動画を6年、さらにデータソリューションの開発/ 実装を3年経験し、2021年度から博報堂DYグループのメディアDXソリューションであるAaaSの導入推進を担当。

 

Q1.「メディアDX」をどのように定義していますか。

A. すべてのメディアを対象に、スピーディーかつ常時接続的にPDCAを回していくことです。

我々の捉えている「メディア」はコミュニケーション全般で活用するすべてのメディアになります。テレビやデジタルという二大ペイドメディアだけでなく、オウンドや店頭も含みます。そして、広告主のKGIを最大化するために適切なKPIを設定し、そのKPIを最適化するためのメディアアロケーションやPDCA運用を、データやデジタル、テクノロジーの力でスピーディーかつ常時接続的に回していくことを「メディアDX」と捉えています。

メディアデータ、生活者データ、広告主のファーストパーティーデータがどれも詳細な粒度で充実し、それらが様々な環境で突合可能になったからこそ、どのメディアがどれだけマーケティング活動に寄与するのかを可視化できるようになりました。また、ダッシュボードという形で簡易にキャンペーンの効果をモニタリングできるようになったことも常時接続を可能にした大きな要素だと考えています。

Q2. 効果の可視化において必要な取り組みとは。

A 可視化の先にある、短期間でのメディア戦略の最適化です。

技術の進歩により、従来は難しかったテレビ広告効果の定量評価やダッシュボードによるデイリーの効果モニタリングが可能になってきました。しかし、テレビ広告効果のスピーディーな可視化が実現しても、真に広告主のメディアKPIの達成に資する運用サービスは行えません。

私たちは、実際にMMM(マーケティングミックスモデル)などを活用した短期間でのメディア戦略の最適化はもちろん、テレビ広告の枠や素材の入れ替えなどで広告効果の最大化を行えるようなエグゼキューション領域の取り組みを進めています。「AaaS」では、広告主・放送局・生活者との常時接続による「効果ベース」のメディアDXを推進していきます。

Q3. 統合型マーケティングの実現に際し、貢献しうることは何ですか。

A. 指標やデータの分断を解消することです。

統合型マーケティングの重要なポイントは分断の解消だと考えています。テレビとデジタル、メディアとマーケティング、それぞれの指標やデータの分断をなくすことでメディアを横断した統合指標での管理が可能になり、広告主のKPIを最適化するためのPDCAをスピーディーに回していくことが可能になります。

当社ではAaaS構想に基づいて、分散されていたデータを同一基盤に一元集約し、メディア間の統一指標化と、メディア出稿と広告効果の関係性をひも解く様々なアルゴリズムの生成、ソリューション開発を実現しています。これらのDXの取り組みによって、広告主のフルファネルでのマーケティング投資の最適化、効率化に貢献しています。