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視聴者間のつながりも生まれる昨今 コミュニケーションの活性化を創出する

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テレビコンテンツの視聴デバイスが多様化し、取得可能なデータの幅が拡大した。また、デジタル上にはコンテンツを中心とした新たなコミュニティも生まれている。そうした中で、放送局はどんな役割を担うのだろうか。フジテレビジョンの小池一洋氏に話を聞いた。

月刊『宣伝会議』2022年12月号(11月1日発売)では、「メディアDX――アナログメディア×テクノロジーで活用が広がる!」と題し特集を組みました。
ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

フジテレビジョン
編成制作局 編成センター 編成部
部長職メディア推進統括担当
小池一洋氏

1995年にフジテレビジョンに入社。技術局放送技術部に配属され、放送技術の業務に従事したのち、1998年にスカパー!(旧JスカイB)、2001年にBSフジ、また2005年にはFOD(旧フジテレビオンデマンド)を立ち上げるなど、様々な新規事業の立ち上げに携わり、現在、編成部で主にデジタル・配信関連業務を統括している。

 

Q1. 「メディアDX」をどのように定義していますか。

A. コンテンツと視聴者のコミュニケーションをより活性化させること。

今までテレビというメディアは、放送局→テレビ受像機(視聴者)という単方向への情報発信を行っていました。しかしICTの普及により、テレビ受像機自体がインターネット結線されることで視聴者と放送局が双方向のコミュニケーションを取れるようになったり、ソーシャルメディアという別の場所で番組を観た視聴者同士が繋がるようになったりと、コンテンツ・放送局と視聴者の距離をより縮めることができるようになりました。

フジテレビ、放送局にとっての「メディアのDX」とは、コンテンツ(放送局)と視聴者(ユーザー・顧客)のコミュニケーションを、ICTを活用することによって、より活性化させることがその要素のひとつだと考えています。

Q2. 近年のDXの潮流とは。その中で、どのように広告主にとってのメディア価値を高める取り組みをしていますか。

A ユーザーに対して接点を広げることが、広告主への価値を高めることにつながります。

当社では、地上波で放送する番組を、視聴者に地上波で楽しんでいただくことはもちろんのこと、番組(コンテンツ)をTVer・FOD等の動画配信プラットフォームを利用してスマートフォンやPCなど様々なデバイスに届け、また、SNSを積極的に活用して、コンテンツの情報やクリップ動画などを発信することによって、多くの接点をつくっていくことがスタンダードになりつつあります。

それらはそれぞれ異なるユーザー属性を持っていますので、当社がお届けするコンテンツ・コンテクストの接点を拡げること自体が、広告主への価値を高めることに繋がると考えています。

Q3. 効果の可視化において必要な取り組みとは。

A. 多岐にわたる視聴デバイスにおける指標の評価システム整備が課題です。

昨今の放送局は、地上波(テレビ)以外に、OTT上の動画配信プラットフォームやSNS、コミュニケーションアプリと多岐にわたるメディアを活用するようになりました。それらにおいては視聴履歴、インプレッション、エンゲージメント率なども可視化できるようになりました。

地上波放送の効果指標は、いわゆる視聴率ですが、近年では周知のとおり個人視聴率やコアターゲット視聴率など属性が細分化されるようになりました。新たなメディアが出てきたことで、それら以外に例えば動画配信においての評価指標は、コンテンツの再生数やUB(ユニークブラウザ)数といったものも指標に加わってきました。

多岐にわたる評価指標をそれぞれどういった形で評価していくかが、現在の課題となっています。