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Z世代に響くプロモーションとは? デジタルもアナログも好感認知を獲得する

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Z世代向け店舗、Z世代のニーズを反映した商品……など、トレンドをつくる若年層にフォーカスした施策を打ち出す企業はますます増加しています。プロモーションで彼らと有効な接点を築くために捉えるべき考え方とは?SNSトレンドにも精通するマーケティングプランナーの山口夕依氏が解説します。

マーケティングプランナー/
音楽プロデューサー
山口夕依氏

 

本記事は販促会議2023年2月号からの転載記事です。
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Z世代を対象に、直近の購入品とそのMomentをヒアリングすると、直感センサーのユニークさに毎回驚かされます。「Qoo10のメガ割中にTikTokでバズっていたので買いました!」「ドンキで見つけて想像つかないので一度買ってみました!」一聴すると慎重な比較検討をただ省略しているかのようですが、その裏に隠されたインサイトを的確に捉える必要があります。

Z世代には「“受動的”に情報収集」するパルス型消費や、「“店頭で”即断即決」するパルス型消費が目立ちます。また、ZMOT(Zero Moment of Truth)のみならずFMOT(First Moment of Truth)やSMOT(Second Moment of Truth)それぞれのMomentで反応する直感センサーについても、Z世代特有のものが見受けられます。

受動的な情報収集と好感認知

ZMOTについて語られる時、情報収集は“能動的”なものが中心とされますが、TikTokとInstagramをアクティブに利用するZ世代の場合、“受動的”な情報収集がZMOTとなるケースが多いです。そこで欠かせないのが「強制認知」ではなく「好感認知」の獲得です。

そもそも受動的な情報収集とパルス型消費が目立つようになった裏側には、SNSコンテンツが静止画から動画へと移行した背景があります。動画コンテンツによって接触回数の法則は崩壊しているため、1回の接触でも十分な「刺激と信頼」を与えて、Z世代にとっての「正解」として認知される=「好感認知」を獲得できれば、パルス型消費を促せます。

FMOTのパルス型消費 背景にタイパ意識

また、ZMOTが重視される一方で、Z世代の場合はFMOTで即断即決するパルス型消費も目立ちます。その背景には「タイムパフォーマンス(タイパ)」の意識があります。特定の実店舗やECに「とりあえず来店して購買することが習慣化」しており、そのほうが能動的に情報収集して悩むよりも「タイパがよい」という考えがあります。Z世代のFMOTが特に発生している実店舗やECには3パターンあります。1つ目は「品揃えとテスターが充実している」実店舗です。

例として、@cosme TOKYOでは圧倒的な品揃えとテスターが用意されているため、友達と一緒にリアルタイムなレビューを共有してまとめ買いすることができます。2つ目は「品揃えと店頭映像が充実している」実店舗です。例として、モニター映像やPOPが充実しているドン・キホーテなどがあげられます。

3つ目は「品揃えと絞り込み検索が充実している」ECです。例えばZOZOTOWNでは非常に細分化された絞り込み検索に加えて、お気に入りブランドのみを人気順で表示できるため、「自分のWANTSを満たした」×「自分が信頼するブランド」×「多くの人が購入した」という完璧な「正解」を買うことができます。

2022年のトレンドに見る Z世代特有の直感センサー

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【「Z世代」向けプロモーションで合わせて読みたい記事】
Z世代が魅力を感じる「昭和レトロ」(2022年3月号)
Z世代向け店舗「キラキラドンキ」(2022年9月号)
ゲーム性で若者の心つかむ「サイコロきっぷ」(2022年12月号)

 

『Z世代のリアル
~私たちが共感する企業 届くマーケティング~』

<本書の構成>
PART1
有識者が語る、Z世代の特徴
・サステナブルブランドは“まだ”買えない。Z世代、消費のリアルを読み解く
SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣
・表面的なサステナブルはむしろ逆効果 必要なのは企業のスタンスを示すこと
博報堂 ミライの事業室 牧島夢加
・コンテンツ大量消費時代を生きるZ世代 自分ごと感を生み出す「動画」
SNSトレンドマーケティング協会 代表理事 椎木里佳
 
PART2
米国のZ世代事情/松本泰輔
・Z世代、90年代にハマる 広告業界はノスタルジア・マーケティングブームに
・「Z」の次は「アルファ世代」 続々とアプローチを開始する米企業
 
PART3
Z世代のリアルな消費とSNS活用
・買う/買わないの判断軸はどこにある? 現役大学生の買い物事情
・Z世代は今、SNSをどのように活用するのか
 
PART4
6人の若手が考える、これからのマーケティング
・「ナンバーワン」も「みんな一緒」も求めていない 購買行動と潜在ニーズから捉えるZ世代ビジネスの在り方
僕と私と 代表取締役 今瀧健登
・YとかZとか置いといて、昨日こっそり食べた「P」が知りたい
スマイルズ 津田ひかる
・“トキ”という体験価値を売るテーマパーク
コンテンツの多様化が広がる今だからこそ「リアルな体験」を提供する
・売っているのは社会に“なくてもよいモノ”
「機能」以外の“+αの価値” 「情緒」に訴えかけるマーケティングをしたい
JT 黒髪祥
・生産者の「想い」で心を動かす 営業がない企業の代表が考える新たなビジネス観とは
イノベーションチームdot /dot 代表 冨田侑希
・化粧品が「美の押し付け」にならないためにメッセージ発信のときは常にダイバーシティへの配慮を忘れない
ポーラ 石崎眞里奈
 
・新定義 Z世代のリアル
マーケター・起業家座談会
Z世代が思う、「Z世代」とは?
 
PART5
若手マーケターが師匠に聞きたい、「企画」と「マーケティング」
・Z世代の企画屋がカヤック柳澤氏から学ぶ
面白さを追求しながらも愛される企画と会社
カヤック 代表取締役 柳澤大輔、僕と私と 代表取締役 今瀧健登
・自分自身を「マーケターだ」と思い過ぎて生活者をフラットに見れなくなることを恐れろ
サントリー 酒巻真琴、JT 黒髪祥
 
PART6
今後に大注目、Z世代クリエイターの感性
・個性は無理につくるものではない 自分自身もイラストも等身大で表現していきたい
イラストレーター ヨシフクホノカ
・映像好きとつながる、作品をつくる、公開する、反響をもらう……
病みつきになるほど楽しいサイクルの裏にはいつもSNSの存在があった
カメラマン/撮影技師 林大智
 
PART7
Z世代の起業家が考える社会とビジネスのこれからの関係
僕と私と 代表取締役 今瀧健登
Essay 代表取締役 CEO 江連千佳
Follop 代表取締役 CEO 富山知輝
 
PART8
Z世代向けキャンペーン秀逸事例10選
NTTドコモ/大塚製薬/本田技研工業/Tinder/日本ハム/サンリオ/イグニス イオ×異次元TOKYO/
ハナマルキ/カシオ計算機/明治
 
PART9
Z世代 まるわかりデータブック