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アマゾンやアップルなど挙げ反論 グーグル、広告事業を巡る訴訟提起で

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米司法省は1月24日(米国時間)、グーグルの広告事業が独占禁止法(反トラスト法)違反だとして、訴訟を提起したと発表した。グーグルは同省の主張は誤りだとして、反論している。

訴状では、グーグルが15年間にわたって競合企業を排除し、広告コストをつり上げ、Webサイト運営者の収入を減らすといった行為を続けていると主張した。一方、グーグルは即日、反論。同社の広告プラットフォームは競合他社のサービスと連携できるほか、Webサイト運営者にも毎年数十億ドル規模で収益が還元されているとした。

「司法省が(1月24日に)起こした訴訟は逆効果で、Webサイト運営者や広告主企業に対し、当社が効率的な広告ツールを提供することを難しくする。昨今の困難な経済状況で、市場から支持されているサービスを提供する企業に罰則を与えるべきではなく、競争の激しい業界において、政府は勝者や敗者を選ぶべきではない」(グーグル)

競争環境についても、オンライン広告配信のダブルクリックやディスプレー広告のアドメルドの買収は、いずれも「規制当局によって検討済みだ」とした。また、アマゾンやアップル、TikTokが急成長していることも例に挙げている。

「マイクロソフトは昨年、ザンダー(Xandr)を買収し、ネットフリックスと、広告ビジネスにおいて提携した。アマゾンは、グーグルやメタの広告事業よりも急速に成長している。アップルも今後4年間で広告事業の収益が300億ドルを超える見込みで、独自のデマンドサイドプラットフォームを構築している。TikTok(バイトダンス)も広告収益が100億ドルを超えた。コムキャストやディズニー、ウォルマートやターゲットといった小売企業も独自の広告サービスの構築に投資している」(グーグル)

グーグルの広告事業は2021年に急伸したが、22年に入り、落ち着きを見せている
グーグルの広告事業は2021年に急伸したが、22年に入り、落ち着きを見せている
米インタラクティブ広告協会による米国のオンライン広告市場規模の推移と、米調査会社スタティスタの推計による、米国におけるグーグルの広告事業収益の比較(参考値)。スタティスタの推計では、グーグルの2021年の米国でのオンライン広告市場シェアは28.6%で最大。メタが23.8%、アマゾンが11.3%となっている
米インタラクティブ広告協会による米国のオンライン広告市場規模の推移と、米調査会社スタティスタの推計による、米国におけるグーグルの広告事業収益の比較(参考値)。スタティスタの推計では、グーグルの2021年の米国でのオンライン広告市場シェアは28.6%で最大。メタが23.8%、アマゾンが11.3%となっている

司法省の訴状では、グーグルの幹部や従業員による説明として、Webサイト運営者にとって「広告サーバーを乗り換えることは“悪夢”で、“神のみわざ”が必要である」とか、「我々の目標はオール・オア・ナッシングで、グーグルのアドエクスチェンジを使うか、広告主の需要にアクセスできなくなるかだ」といった引用もなされている。

司法省は2020年10月、検索サービスにおける反トラスト法違反でもグーグルを提訴。同年12月にはテキサス州はじめ17州が、グーグルの広告事業を巡って訴訟を起こしている。グーグルは後者について、米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に棄却を求めたが、2022年9月13日、一部を除いて却下された。

※訂正:グラフ中の単位が円になっていました。正しくはドルです。訂正いたします。(2023年1月26日 14時20分)