みずほ銀行が考える、AI時代にテキストライティングを学ぶ価値とは?

〈みずほ〉はグループ内に銀行、信託、証券、アセットマネジメント(資産運用)およびシンクタンク等を擁する金融グループだ。役職員一人ひとりが「お客さま目線」を大切にし、変わりゆく環境の中でも、常にお客さまの役に立ち続ける存在、新たな時代のパートナーとなることをめざしている。

今回は、本部職員のライティング力向上のため、2023年2月から3月にかけて実施した『テキストライティング研修』について、実施した背景と修了後の成果を聞いた。

みずほ銀行 リテール・事業法人カンパニー
(左から)個人業務部 仁上直子氏、同海老原玲子氏、法人業務部 高橋伶菜氏、同臼居三希氏、個人業務部 出森早稀氏

—— 両部署の役割についてお聞かせください。

仁上:個人業務部・法人業務部ともリテール・事業法人カンパニーに属しています。

組織上は別々の部署ですが、行員への情報提供におけるDX推進は共同で行っています。

具体的には、業務効率化とお客さま満足向上の両立を目的として、FAQ・AIチャットボットツールの企画・運用・推進を担っています。

—— 2月から3月にかけて、『テキストライティング研修』を開催した背景をお聞かせください。

仁上:2つの課題認識が発端でした。

1つは、DXの推進です。AIなどのDXツールの登場によって、仕事でも生活でも、便利だと感じることが増えています。しかし、企画側としては、DXに関してツールを導入するだけで成果が出ると誤解されていることも多いと感じています。

例えば、AIの自動解析機能を正しく・確実に働かせるために、行員が書く元の文章が、正しく分かりやすい文章であることが必要です。これができていないと、精度が下がり、期待した価値を生み出せません。

2つ目の課題認識は、人でなくてはできない部分です。相手がどんな状況や気持ちで、その文章を読んでいるのか、相手が何を求めているのか無自覚な面も先回りして想像し、文章を準備しておくことが必要です。これには人ならではの想像力や共感力の発揮が求められます。

そのため、私たちが身に付けるべきスキルは、「読み手に理想的な回答や示唆を提供するテキストライティング力」であると考えました。

こうした背景から、本研修を実施することにしました。

—— 本研修で宣伝会議を選ばれたポイントは何でしたか。

仁上:宣伝会議は、『編集・ライター養成講座』など多数の講座を開催しています。言葉やコミュニケーション領域でのプロの技術を、効果的に身に付けられると考えました。

今回はその中でも、ビジネス領域で広く応用可能な『相手に伝わる文章のあり方と書き方』を実践的かつ総合的に習得することを期待しました。

—— 研修の受講希望を募ったところ、定員を大きく超えた応募があったと聞きました。

海老原:はい。定員を30人程度として、部署ごとに受講人数の定員を設けた応募制で告知しました。

そうしたところ、「できれば3人を受講させたい」という上席者の声や、研修開催を知った他部署が「どうしても受講したいのだが、何とか参加できないか?」という希望が多数ありました。この時点で、思った以上にニーズが高いことを実感しました。

—— 研修の企画で工夫した点を教えてください。

仁上:本研修では、アジェンダの半分を演習にして、実際の業務への活用と定着に重きを置きました。伝わる文章とそうでない文章の違いを演習の事例で示し共通理解を深めるとともに、実際に手を動かすことで、Before&Afterを体感できるような工夫をしました。

※今回は、全3回の研修で、4つのテーマをグループ演習、事後課題の添削を通じて習得をはかった
「1回目:分かりやすい文章と伝わりやすい文章のポイント、2回目:ロジカルに構成を組み立てて書く、3回目:FAQを書く」

—— 研修で学んで、印象に残っていることを教えてください。

高橋:私からは受講者として得た学びを紹介します。それは、「はじめに読み手視点から文章を書き始めることで、読み手が理解しやすい文章が書けること」の実感でした。

もちろん、これまでも、文章を分かりやすくかつ伝わるように書くことを意識していました。しかし、それだけでは不十分で「読み手が読後に適切な行動が取れるよう、具体的な行動も明示すること」が必要だと学びました。

臼居:他のメンバーの文章を読み比べることで、多くの気付きがありました。また、「ともに学ぶ研修受講者の学びの吸収が早いこと」に驚きました。講師から解説された改善点を、次の演習ですぐ取り入れて投稿する様子から、皆のライティング力が、研修中にどんどん伸びたと感じました。

海老原:私は営業店での実務経験が長く、これまで、対面でお客さまと「話す」スキルは、身に付けてきました。しかし、お客さまが知りたい情報を、分かりやすく適切に伝えるための「書く技術」を学んだのは、今回が初めての経験でした。

両者の共通点は、「伝えたいことを最もシンプルに表現すること」でした。

そのいっぽうで相違点は、「相手の想定の仕方」でした。話す場合は、目の前に相手がいるため、顔色や表情を確認しながら伝え方を相手に調整することができます。しかし、書く場合は、相手と対面できないため、「読み手がどの程度理解しているか、どういう場面でこの文章を読むのかをあらかじめ想定し、伝える表現を練り上げる必要がある」という心構えの違いを知ることができました。この学びによって、これまで文章を書く際に感じていたモヤモヤを解消することができました。

仁上:私は研修運営者の立場の感想を別の観点からお話しします。宣伝会議の方には、研修の企画段階から実施後の振り返りまで、常に寄り添っていただきました。

それぞれのディスカッションの過程で、「私たちが言葉にできないけれど抱いている気持ちを察知し言語化する、全員の意見を引き出しより良い解となるよう案を提示する」などで、ファシリテーションをリードしてもらいました。私たちの思いを実現でき、有難く思っています。

また、リスキリングという観点で私たちのプロジェクトリード力も上がるという、副次的な効果も得られました。

—— 研修終了からまだ1週間が経過したばかりですが、どのような手応えを感じていますか。

出森:受講者自身が、今回のスキルを「文章を書くすべての業務に使える」と実感したことです。それは、「事後アンケートを書いている今も、今日の学びを生かそうとしています」といった声など、学びをすぐに、そして日々のどんな場面の実務でも生かそうという行動しているという声が多く寄せられたからです。

また、意外だった成果は、「文章を書く際に限らず、人と話をする時にも、まず相手のことを考え、その次に言葉を選んで話すようにスキルを生かしている」ということでした。

事前に期待した以上に学びが早く生かされ、また広範囲で活用される結果が出始めています。

事後アンケートは、事前の期待値を超える結果となった

—— 最後に、今後の展望や実践していきたいことをお聞かせください。

高橋:今回の運営メンバーが中心となって、文章の書き方などのTipsを継続的に発信し、当カンパニーのテキストライティング力のレベルアップを推進したいです。

臼居:今回定員の都合で受講できなかったメンバーが一定数いました。「学びたい人がすぐ、積極的に学べる仕組み」をつくり、対象を広げたいです。

出森:「文章によるコミュニケーションが不十分なためにビジネスが思うように進まず苦労する」という経験をこれまで幾度としてきました。事実を伝えることと、相手に伝わることは全く違うことであり、後者が当行のスタンダードとなるよう啓発したいです。

仁上:2023年度は、テキストライティング力のレベルアップを個人単位から組織単位で実現するために、仕組みを創って実践します。そうすることで、みずほ銀行のあらゆるお客さまに、さらにご満足いただくサービスや体験の提供ができるよう、追求していきます。

本部が行う通達やお客さまなどに向けたFAQの文章が、より伝わりやすくなるようみずほ銀行様が活用したのは……
宣伝会議の「テキスト・ライティング実践講座」でした。

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お問い合わせ
株式会社宣伝会議 教育事業部
MAIL:info-educ@sendenkaigi.co.jp



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