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テクノロジーの発展で真価を発揮する ヒト起点のメディアとしてのOOH

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ジェイアール東日本企画
上級執行役員
メディアソリューション本部
副本部長
稲葉耕一氏

1991年入社。営業局配属後、運輸、食品他多くのAEを担当。広告電通賞準グランプリ受賞の航空会社キャンペーンでは責任者として陣頭指揮を執る。2017年より関西支社長に就任し大阪市交通局の民営化CI構築など関西エリアを開拓。昨年7月に新設されたデジタルサイネージ事業局長。2023年4月発足のメディアソリューション本部の副本部長に就任。

Q:コロナ禍を経て、改めて感じるOOHの価値とは?

A:人々が「人間らしさ」を求める中で、リアルロケーションで接点を持てることの価値が高まった。

コロナ禍を経て人々の価値観が変わりました。「人間」としての本質と言いますか、「人らしい生き方」のようなことを多くの生活者が考え直したり、見つめ直したりしたのではないでしょうか。そうしたマインドシフトが進む中で、人間本来の移動行動空間に存在するOOHの持つ意味や役割、すなわちリアルロケーションにおけるコンテキスト情報の意義や存在価値が再認識されてきたと感じます。

だからこそ、企業側の一方的な発信ではなく「ヒト」に寄り添うメディアとしてのOOHのあるべき姿を改めて追求しなければならないと考えています。

Q:デジタル技術の進展、データ活用によりOOHは進化を遂げつつあります。その中で特に注目している領域について教えてください。

A:各領域での進化を結び付け、生活に寄り添う「ヒト起点のオムニチャネル的発想」が重要。

「プランニング」「バイイング」「出稿」「クリエイティブ」「効果検証」といった、それぞれの領域でデジタル化・データ活用による進化は起こっています。OOHの役割や存在意義を突き詰めていくと、それぞれの分野が有機的に結びつき、連携することによって実現することこそが「これからのOOH」の目指す姿であるべきと考えます。

テクノロジーの進化がもたらす新たなOOHを起点としたメディアビジネスは、効果検証はもちろんですが、多様化する人々のライフスタイルに対し柔軟にコンタクトしていけるか。さらには寄り添っていけるか。つまりヒト起点のオムニチャネル的発想が求められています。新たな投資や技術革新はOOHの新しい価値や底力を確認する機会になるのではないかと考えています。

Q:企業のマーケティングにおいてOOHがプランニングに組み込まれやすくなるために、業界として必要な取り組みとは?

A:プログラマティックDOOHの整備を進めることが、業界全体の発展につながる。

日本においてプログラマティックDOOHの環境はまだまだ未整備の状況だと言わざるを得ません。クライアントニーズに対応することや広告取引における効率性を追求するだけでなく、OOH本来の良さを引き出し、再発見し、グローバルな展開にも対応することが重要です。

新たな技術革新や投資によるメジャメントの標準化、スクリーンや配信システムのアップデート、プログラマティック取引の進化はそうした将来に向けたひとつのプロセス。最終的にはOOHの新たな魅力の発掘、価値観の創出、ひいては「ヒト起点のメディアであるOOH」につながり、業界全体の発展に寄与することが肝要だと考えます。