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小説に乗せ、サステナビリティへの企業姿勢“伝わる”発信を

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サステナビリティへの姿勢や取り組みに関する発信は、いまや企業価値の向上に欠かせない。そこで月刊『広報会議』では、サステナビリティについて効果的な発信をしている企業の広報担当者に、「反響のあった情報発信」やそのこだわりを聞く連載企画「広報担当者のためのサステナビリティ実践ノート」を掲載している。

9月号(8月1日発売予定)では、ユーグレナの広報宣伝部部長 北見裕介氏に「サステナビリティへの企業姿勢が伝わる施策」の裏側を語ってもらった。

※本記事は、『広報会議』9月号(2023年8月1日発売予定) の転載記事です。

「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」を掲げ、事業を通じて社会課題の解決を目指すユーグレナ。

その姿勢を広く伝えるため、2022年12月22日に“サステナビリティ”をテーマにした短編小説「SF(サステナビリティフィクション)小説」を特設サイトに公開した。

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小説は、早川書房の協力のもと制作。「経営も、小説も、始まりは空想から。」をコンセプトに、出雲充代表取締役社長はじめ経営陣が抱く、100年後の会社や社会に関する「超長期経営“空想”」を4人の作家が形にした。

一例として、『貧困の博物館』は出雲代表が作家の田丸雅智氏とのタッグで生み出した。テーマは、貧困が滅んだ世界に残る「新たな貧困」。かつての途上国の暮らしを再現した「貧困体験プログラム」を通じて100年先の世界を変えるためのヒントを探っていく物語だ。

 このように何世代も先の未来の予測(空想)を伝えることで、“真”の「サステナビリティ」に向き合ってきた同社の経営計画やビジョンを社会に周知することを目指している。

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出雲代表が作家の田丸雅智氏とのタッグを組んだ『貧困の博物館』。冒頭は「ようこそ、未来の博物館へ!ここに展示されているもの、それは、世界から根絶された貧困。目玉は、かつての途上国の暮らしを再現した『貧困体験プログラム』」から始まる、100年先の世界を考え、変えるためのヒントを巡る内容。

具体的な「SFの狙いは2点あります」とユーグレナ 広報宣伝部部長の北見裕介氏。

1点目は食品やバイオ燃料など、多角的な同社の事業形態をステークホルダーに認知させるため。幅広い事業は全て「社会課題の解決」を目指したものであることから、サステナビリティの文脈に乗せ事業の全体像と目指すべきビジョンを伝えていく。

「2点目として、社会を変えるには、多くの人に『無理だ』と言われるような壮大なビジョン、つまり“空想”を発信すべきとの思いもありました。微細藻類ユーグレナの活用でバングラデシュの食料問題を解決したいと代表が創業した際、『無理だ』という声が多かったのですが、結果として世界で初めて屋外大量培養に成功し食品事業が形となりました。いわば“空想”を現実にした我々が次の“空想”を発信し、他のスタートアップ企業などにも面白いと思ってもらい社会全体で課題に立ち向かっていきたいという狙いもあります」(北見氏)。

 制作では、サイトにPDFを掲載する見せ方にこだわった。ブログのような掲載も考えたというが、“違和感がある形”での公開により、見た人に時間を取ってじっくり読んでもらうことを目指した。

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「SF小説」は、特設サイトに加え、2022年12月22日から翌年1月5日までの期間限定で二子玉川 蔦屋家電にも展示。年末年始にもかかわらず、同社の顧客などが足を運び、手に取る姿が多く見られたという。

公開当日の12月22日には「二子玉川 蔦屋家電」で作品発表に関する記者会見も実施。同社CFO(最高未来責任者)の渡部翠氏と早川書房の塩澤快浩氏が登壇し、取り組みへの思いを語った。

「記者会見はビジネス系や書籍系をはじめ、様々なジャンルのメディアに取り上げていただきました。報道内容は『小説の制作』にフォーカスしたものが多く、当初の狙い通り幅広い層に伝えられたと考えています。企業のサステナビリティに関する発信はユニークさがなくなってしまうことが多いため、切り口の設計により面白い形で見せることで、結果としてより広い層に伝わっていけば嬉しいです」(北見氏)。

ユーグレナの「SF小説」 作品概要

●出雲充 代表取締役社長×田丸雅智 氏(作家)
作品名:『貧困の博物館』
テーマ:貧困が滅んだ世界で、それでも残る「新たな貧困」とは

●永田暁彦 取締役代表執行役員 CEO×藤井太洋 氏(作家)
作品名:『モラトリアム』
テーマ:宇宙は、人類の居場所になれるのか

●鈴木健吾 執行役員 CTO×林譲治 氏(作家)
作品名:『共棲の始まり、そして未来』
テーマ:生命は、存在は、永遠か

●高橋祥子 専門役員バイオインフォマティクス事業担当×菅浩江 氏(作家)
作品名:『幸せな長い人生』
テーマ:寿命と記憶の間で揺れる、幸せの定義


広報会議9月号(8月1日発売予定) では、このほかにも広報担当者の参考になる連載を多数掲載しています。

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広報会議9月号(8月1日発売)

掲載している連載をご紹介します。

【PR JOURNAL】

  • 広報担当者のための企画書のつくり方入門
  • 「産学連携」事業のPR企画書の書き方
  • 片岡英彦
  • 周年イヤーの迎え方 旭化成
  • 社員を巻き込む 社内報のつくり方
  • SHIFT
  • SNS採用広報の裏側 JALスカイ
  • メディア研究室訪問
  • 愛知淑徳大学 宮田雅子ゼミ
  • 映画で学ぶ広報術
  • 『クイーンメーカー』
  • 野呂エイシロウ(放送作家・PRコンサルタント)
  • BOOKS
  • BtoB企業広告のその後
  • 東洋紡
  • デジタル広報のレジリエンス力
  • 櫻井美穂子(国際大学 准教授)
  • リスクコミュニケーションへの備え
  • 満永拓邦(東洋大学 准教授)

【メディアの裏側からリリース術まで
MEDIA TOPICS】

  • メディアの現場から
  • CCCメディアハウス『フィガロジャポン』
  • 交通新聞社『旅の手帖』
  • 記者の行動原理を読む広報術
  • 松林 薫(ジャーナリスト)
  • 実践! プレスリリース道場
  • 日本野菜ソムリエ協会のリリース
  • 井上岳久(PRコンサルタント)
  • スタートアップ企業の転機
  • ヘラルボニー
  • 下矢一良(PRコンサルタント)

【新たな情報流通とコンテンツ
DIGITAL TOPICS】

  • オウンドメディアの現場から ノベルズ
  • データで見る PR動画の効果
  • 医学生物学研究所/松山大学 ほか
  • ウェブリスク24時
  • Twitter依存というリスク
  • 鶴野充茂(ビーンスター)
  • AIで変わる広報業務
  • コロプラ

【広報担当者が知っておきたい
RISK MANAGEMENT】

  • 危機管理に詳しい弁護士が解説
  • リスク広報最前線
  • 浅見隆行(弁護士)
  • 小説で学ぶクライシス対応 「広報担当者の事件簿」
  • 佐々木政幸(アズソリューションズ)

【企業に求められるサステナビリティ
IR・ESG TOPICS】

  • サステナビリティ実践ノート
  • ユーグレナ
  • 担当者が語るIRの現場
  • シノプス
  • ファンを増やし選ばれる存在に
  • 大学広報
  • 大学広報最前線
  • 京都橘大学
  • 大学広報ゼミナール
  • 高崎商科大学

【地域を変える発想とは
地方創生とPR】

  • 地域メディアの現場から
  • MBS毎日放送
  • 『水野真紀の魔法のレストラン』
  • 自治体広報誌の切り口・注目テーマ
  • 佐賀県鳥栖市/東京都新宿区
  • 自治体広報の舞台裏
  • 石川県加賀市

【NEWS&DATA】

  • パートナー一覧
  • 広報最前線
  • ● 経済広報センター
  • ● 日本広報学会
  • ● 日本パブリックリレーションズ協会
  • 広報プロフェッショナルへの道
  • 社会構想大学院大学
  • PRイベントの効果
  • adidas/日本マクドナルド ほか
  • PRイベント潜入
  • 日立ジョンソンコントロールズ空調