ネット資産の異常に備えた準備を

NTTドコモの保有ドメイン名が自社サービス終了で管理切れに。ネットオークションにかけられているとウェブメディアが記事にした。ドメインは402万円で取引されたという。

※本記事は月刊『広報会議』2023年12月号(11月1日発売)に掲載した連載企画「ウェブリスク24時」の転載記事になります。

文/鶴野充茂
社会構想大学院大学 客員教授
ビーンスター 代表取締役
つるの・みつしげ

社会構想大学院大学客員教授。日本広報学会 常任理事。米コロンビア大学院(国際広報)卒。国連機関、ソニーなどでの広報経験を経て独立、ビーンスターを設立。中小企業から国会までを舞台に幅広くコミュニケーションのプロジェクトに取り組む。著書はシリーズ60万部のベストセラー『頭のいい説明「すぐできる」コツ』(三笠書房)など多数。個人の公式サイトはhttp://tsuruno.net/

 

9月、NTTドコモが保有していたドメイン名「docomokouza.jp」がネットオークションにかけられているとウェブで注目を集めた。同社が2021年に終了した「ドコモ口座」というサービスで使用していたドメインだった。多数のユーザーが利用するサイトで使用されていたドメイン名は、検索エンジンでも上位に表示されやすく、ネット上では高値で取引される傾向がある。悪用されるケースもあり、本来の用途としての利用が終わっても、保有してきた管理者には注意が求められる。

オークションへの出品には、それまでの管理者が売却を意図した場合と、更新手続きが取られず管理されないままに取引対象になった場合がある。経緯をまとめた記事を見る限り、今回は後者だったようだ。「社内管理の不手際」だったとドコモはコメントしており、結果として、402万円で取引された後、そのドメインを回収したという。

イラスト/たむらかずみ

 

継続的にネット資産の棚卸しを

日々の業務でネット活用の機会は広がり続けている。組織のHPやオウンドメディアのサイトとドメイン、各種SNS、メールアドレスなど、広報関連で取り扱うものも数多くあるかもしれない。そのすべてをきちんと把握できているだろうか? たとえば開設したものの放置されているものはないだろうか。TwitterがXになるなど、プラットフォームも変化している。規約も変更になっている可能性がある。アクティブに運用しているものとそうでないものは認識できているだろうか。保有しているアカウントの棚卸しをしておきたい。そして、整理・処分のルールなどを確認するのにもいい機会だ。

 

異常察知の体制は十分か?

8月末、「鹿児島 餃子の王将」を展開する鹿児島王将のHPが不正アクセスを受けて掲載情報を改ざんされた。9月には、湘南国際村協会が運営する宿泊研修施設「湘南国際村センター」(神奈川県葉山町)のHPでも改ざんがあった。どちらも「業績悪化のため破産手続きを始めた」などと書かれていた。ともに事実無根だ。9月には、ハンズが同社を名乗る偽サイトを確認したと注意喚起。100円ショップのセリアは公式を名乗るXの偽アカウントがあると注意喚起した。セリアの場合、店舗のスタッフが社内手続きを経ずに開設したものだと後に明らかになった。

こうした事態に備え、異常を察知する体制や仕組みが自社内にあることをまずは確認し、実際に問題が発生した時のフローを共有しておきたい。異常は社外から問い合わせを受けて発覚することも多いが、通報された内容の確認に時間がかかる場合などが実際にはよくある。注意喚起はどうするか、改ざんされた場合のサイトの修復手続きは?など、確認しておくべき観点は数多い。他社の対応策をベンチマークとしながら、自社関連のアカウントの棚卸しとともに、異常にも対応できるよう体制を確立しておくことが必要だ。

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