小林製薬は12月12日、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進を担う部門や財務部門の一部のオフィスをリニューアルしたと発表した。生産性の向上やアイデアの創出を促すほか、対外的な発信も強化する。11月から稼働している。
刷新したオフィスは約120人が使用する。仕事の内容に応じて業務場所を選べる「アクティビティ・ベースド・ワーキング」を導入した。ファミリーレストランのようなボックス席や、2人用席、立ちながら作業するスタンディングデスクなどを取り入れた。1人あたりの業務スペースも従来の170%に広くした。
最高デジタル責任者(=チーフ・デジタル・オフィサー、CDO)配下のCDOユニットと、最高財務責任者(=チーフ・フィナンシャル・オフィサー、CFO)配下のCFOユニットの一部が勤務する。いずれも2023年1月1日付で新設した部門。CDOユニットは知識やスキルの浸透、事業部間での基盤整備やDXの旗振り役となっているほか、24年に入ってからはデジタルサービスの新規開発を加速させる考え。
DXの推進は23〜25年の中期経営計画の柱のひとつで、小林製薬はことし8月、デジタル人材の採用強化を明らかにしていた。オフィスの刷新は、デジタル人材に向けたアピールの側面もあり、採用競争力の強化につなげる。新オフィスはメディアなどを招いたり、イベントなどを開催したりする際にレイアウトを変更できるカフェスペースも用意し、オフィスからの発信もしやすくした。
現中計のテーマは「私が“あったらいいな”をカタチにする」。DX推進では、創立記念日に開催する全社員参加のアイデア大会で生成AIを活用したほか、年間で5万7000件を超えるとされる社内提案などでの発想のサポートも行う。中計ではデジタルサービスなどを含め、2030年に売上高80億円規模の新規事業の創出を掲げる。
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