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ラジオにも“推し活”の流れ ファンの熱量を広告戦略に取り入れたオーディオメディア戦略とは?

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広告市場においてはインターネット広告が今も成長を続けている。その一方で、近年はマスメディア企業のDXの強化、それに伴う新たな広告商品の開発が進んでいます。月刊『宣伝会議』では毎月、大手マスメディア企業の広告営業に関する戦略を取材。今回は、文化放送の市村篤史氏にこれからの広告・メディアビジネスの可能性について聞きました。
※本記事は月刊『宣伝会議』2024年1月号に掲載の「メディア企業に聞く広告営業戦略」記事を転載したものです。

声優やタレントのファンの推し活を取り入れた施策

文化放送メディアビジネス局では2023年に組織変更を行い、メディアビジネス局のもとに営業部、営業推進部、ネットワークソリューション部という3組織を編成した。「営業推進部は社内調整を含めた企画構築のセクション。加えて、最近ではリード開発、いわゆるウェビナーなどのセミナーを通じて、インサイドセールスを行い、ホットリードになった企業を営業に渡し、担当するという形をとっている。ネットワークソリューション部は、CMクリエイティブや東京のキー局として全国のラジオ局と情報交換を行っている」と営業部部長の市村篤史氏は語る。

同社では近年、従来のラジオ広告にとどまらず、広く「オーディオメディアソリューション」を開発・提供することを目指してきた。その特徴としては①最適な広告プランを総合的にプロデュースすること、②豊富なタレントネットワークから最適なキャスティングを実現すること、③SNSマーケティングも加えて、ロイヤルカスタマーの増加に貢献すること、④デジタルマーケティングのトレンドを積極的に採用した戦略などがあげられるという。

「このソリューションを活用するクライアントはリーチの規模以上に、どちらかというと深さを求めているケースが多い。テレビなどの広告を打った後、第2弾、第3弾の施策として、より対象を絞り込んだコミュニケーションで活用されている」という。

最近の傾向として声優やタレントのファンの“推し活”を広告戦略に取り入れた施策が人気だ。「『園芸好きパーソナリティの番組を園芸関連メーカーが応援』『声優を起用した特別番組にてXで広告を配信』した事例などがある。背景にはZ世代を中心にした声優ブームがある。また最近は公開録画やイベントを行う事例も多い。ファンは自分たちの『推し』が商品を紹介する事情を理解している。その商品を購入することで『推し』が出演する番組が継続することを望んでいる」(市村氏)。

さらに市村氏は「当社では昔から、打ち合わせには営業、広告会社の方にスタッフと、皆が参加しているので人のつながりが強くある。ビジネス上の関係だけではない、仲間意識が隅々まで浸透している。そのため継続性もあるし、次へのステップもどう変化するのか、営業も一緒に入って理解できる体制が魅力の組織だ」と語る。

2023年の同社のキャッチフレーズは『好きがつながる文化放送』。「推し活に積極的なZ世代だけでなくミドル世代から中高年の方々も含めて、時間帯によってターゲットも変わっている。それぞれのターゲットを大切にしていきたい。そうすることで今後も皆の『好き』をつなげていきたいと思っている」と市村氏は今後の展望を語った。

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写真 人物 プロフィール 市村篤史 氏 文化放送 営業部長

市村篤史 氏
文化放送
営業部長

1994年入社。主に営業として渉外活動に携わる。2020年営業推進部長。営業時代のセールス経験を活かし、オーディオアド企画構築に携わる。2023年7月、営業部長に就任。