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トップクリエイターから事例の背景にある考え方を学びアップデートする

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富士通のデザインセンターに所属する加藤正義氏は、十数年前に宣伝会議の「コピーライター養成講座」を受講した。コピーの考え方を学んだその後、トップクリエイターの思考法を学ぶ「ブレーンクリエイティブライブラリー」の受講に至った経緯や受講後の変化を聞いた。

―今回のブレーンクリエイティブライブラリーの受講動機について教えてください

写真 人物 プロフィール 富士通株式会社 デザインセンター 経営デザイン部 加藤 正義氏
富士通株式会社 デザインセンター 経営デザイン部
加藤 正義

私は「コピーライター養成講座」を受講した経験があります。当時はいい意味で衝撃を受けたのですが、講座の内容はデザイナーとしても生かせるスキルであり、考え方だと思いました。学んだことを同僚のデザイナーにも伝えたいと思い、受講後社内で「コピーライター養成講座」の共有会を開き、私が講師となり講座のエッセンスを伝えたこともあります。

このような経験から日常的にインプットの機会を探している中で、社内で「ブレーンクリエイティブライブラリー」が受講できると知り、気になる講師の講座を複数受講することにしました。オンラインで受講できることも魅力の1つでした。

―デザイナー・クリエイターにとって、トップクリエイターからの知見を学ぶことのメリットとはどのようなものだとお考えですか。

新しい視点や世界観を獲得することです。「この商品はこういう考え方でつくりました」という制作の背景にある考え方やものの見方を、エピソードを交えてお話していただいたので納得感があり、実践的な学びとなりました。

またこのような話は一度聞いただけでは時が経つと忘れてしまうこともあるので、繰り返しインプットするようにしています。私の場合「コピーライター養成講座」に通っていた時の講師や、他社のセミナー等で面識のある講師の講座を受講したので良い復習の機会となりましたし、当時の講座内容を時代に合わせてアップデートされている部分が新たな学びとなりました。

どうしたら行動してもらえるかという部分のデザインがますます求められている

―昨今、デザイナーの仕事は何か形のあるものを作るだけではなく、関係性とかコミュニティとか「人に働きかけて動かす」デザインまで広がってきています。講座での学びが加藤様の業務の中で、「コミュニティづくり」とか「組織を動かしていく」上でどのように役に立っていますか。

私たちの組織は昔から「ヒューマンセントリックデザイン」すなわち「人間中心」の視点を大事にしています。「ユーザー視点」「お客様視点」、あるいは「生活者の視点」で考えられるところが私たちデザイナーの強みです。

人起点で考えることが、その人をどう行動させるかにも繋がっていると思っています。特に人とか組織とか、コミュニティみたいな話になってくると、商品やサービスそのもののデザインだけではなくて、「どうしたら行動してもらえるか、行動したくなるかという部分のデザイン」がますます求められます。特に今の時代はものや情報で溢れています。その中でいかに提供する商品やサービスを発見してもらうか、購買などのアクションをとってもらうかが課題になっていると思います。私は今、企業変革の仕事に関わっていますが、似たような課題を感じています。変革はある程度の人数が新しい行動を起こさない限り起こりません。さらに組織の中では社会とは異なる力学も働くため、日々難しさを感じています。

そういう意味で、十数年前に受講した「コピーライター養成講座」で「なるほどな」と思ったのが、講師の方が「コピーは人を動かすアイデア」「コピーライターは人を動かすアイデアを考える人」とおっしゃっていたことです。これはデザイナーの仕事とも重なると思いました。

また「クリエイティブディレクターの多くがコピーライター出身者」という話を聞いて合点がいきました。「コピーライター養成講座」を受講した十数年前はデザインと言えばビジュアルを磨く人は多かったのですが、言葉を磨く人は少数派でした。結局見た目だけだと人の解釈はバラバラになってしまうので、行動に結びつきません。言葉とビジュアルがセットになっていることが重要であると再認識しました。

その為、当時の職場でそういう価値を知ってもらいたくて、前述したような「コピーライター養成講座」の共有会を開催した次第です。今は、デザイナーの活動領域が昔に比べて広がっており、コピーライティングに興味を持って勉強しているデザイナーも増えていると思います。

―今後学んでいきたい、関心のある講座がございましたら教えてください。

2つあります。1つは、クリエイティブ職向けだけではなく、もっと門戸を広げて興味を持っている方全般にクリエイティブの楽しさを知ってもらえる講座を開催してはどうでしょうか。

もう1つは私も今、取り組んでいるのですが社会課題を身近に感じられるような、「クリエイティブとかデザイン×社会課題」の講座です。クリエイティブ、デザイン思考、社会課題という言葉を使うと、もともと関心がある人向けにどうしてもなってしまうので、気軽に受講できるようなライト層に向けた講座があればいいと思います。

クリエイティブ、デザイン思考、社会課題に共通なのですが、それらを会社の中で広めようとしても、言葉自体が障壁となり誤解を招いたり、自分には関係ないと思われてしまうことがあります。受け手側の立場になった時に、どういう伝え方がいいのかというところは、難しい問題ですが、現場目線でのインプットと試行錯誤(アウトプット)の繰り返しが大切だと思っています。

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