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8割の来店客がアンケートに回答 試食でデータを集める店舗、ジャポリス

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味や価格の感想をフィードバック

東京・浅草の「試食専門店」に人が集まっている。12月19日のオープンから約1カ月で、のべ来店客数が3000人を超えた。運営するジャポリスの小嶋建社長は、「商品PRやデータを収集できる小売店として訴求し、出品企業を増やしたい」と話す。直近の目標は月商150万円。

「試食BARアサクサ」の店名で、花屋敷通り商店街(東京・台東)にオープンした。アンケートに答えると、店頭のすべての商品を無料で試食できる。来店者の8割が試食し、さらに3人に1人が商品購入に至るという。同店の売り場面積は約23平方メートル。現在の出品企業は約40社で、酒類や調味料など約120品を扱う。

写真 人物 個人 「試食BARアサクサ」 運営するジャポリスの小嶋建社長
「全国の食品を販売することで、一次生産者の農家も応援したい」と話す小嶋社長

アンケートでは味や価格の評価など定性データを集め、出品企業にフィードバックしている。年内に3198枚のアンケートを回収。来店者数は1011人で男性が36.2%、女性が57.3%となった。年齢層は20代(30.7%)が特に多く、30代(24.5%)、40代(24.7%)も目立つ。外国人への訴求も重視しているが、現状では来店客の約92%が日本人という。売れている商品カテゴリは「ごはん/おかず系」(約25%)、「デザート系」(約24%)。出品企業にフィードバックする「味の評価」、「理想価格」、「デザインの評価」などの設問も設けている。

お土産を求める観光客のほか、毎日の食材を購入するためスーパーの代わりに利用するケースも増えている。競合のお土産屋やスーパーと比較すると、全国各地の食品を選べるほか、全商品で試食ができる点が強みで、来店客からは「いろいろな味見ができて楽しい」などの声が上がっている。6種類のクラフトコーラを飲み比べるといった同店ならではの体験も可能だ。

同社はECサイトを通じて日本製のカメラやバッグを海外に輸出する事業を展開している。日本の食文化も外国人に広めたいという考えから渋谷区で試食専門店を運営する「メグダイ」と協業。店舗運営、人材教育、研修などのサポートを受け「試食BARアサクサ」をオープンした。取扱商品はメグダイが運営するECサイトや店舗と共通している。

写真 店舗・商業施設 「試食BARアサクサ」店内
約120品の商品を扱っている「試食BARアサクサ」

同社が実店舗を運営するのは初。ECサイトでの輸出事業では購入前に品質に関する問い合わせが多かったことから、小嶋社長は「食品の訴求では試食可能な実店舗が必要だ」と強調した。アンケートの回答率を高め、より効果的なデータ収集が可能な点も実店舗の利点としている。外国人観光客が多い場所を出店候補に選び、浅草、上野、築地などを検討。日本人観光客も多く、様々な食文化が根付いている浅草でのオープンを決定した。

写真 店舗・商業施設 「試食BARアサクサ」 外観
入り口に面した通りは遊園地「浅草花やしき」の観光客でにぎわいを見せ、一見客も多い

現状の課題は「試食専門店」の認知度が低いことだという。メディアでの露出や店頭での実演イベントなどを通じてブランド知名度を向上させ、本来のターゲットである外国人観光客の利用を増やしたい考え。将来的には複数の店を運営することも視野に入れている。

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