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手芸専門店が自社ブランドの枕を発売 手芸事業の素材供給網を活用、藤久

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睡眠姿勢の研究者が監修

全国で手芸専門店を展開する藤久(名古屋市)が自社ブランドの枕を発売した。同社は女性の健康と美をテーマとした新ブランド「アスシア」を2月21日にスタート。第一弾商品として、睡眠姿勢や枕に関する研究を行う「山田朱織枕研究所」の代表で、整形外科医の山田朱織氏が監修した「アスシア枕」を発売。1年間で3万個の販売を目標に掲げており、ECサイトや卸先の販売店だけでなく、全国規模の自社店舗を運営する同社の豊富な販売チャネルが強みになるとみている。

アスシア枕を抱える筒井社長(左)、野呂氏(中央)、山田氏

「アスシア枕」は体格に適した「高さ」、寝返りしやすい「平らな形状」、首が安定する適度な「硬さ」が特長。高さは40~90ミリまで5ミリ単位で調整できる。内部は頭と首を包む「ソフト層」、頭を支える「サポート層」、サイズを調整するための「高さ調整層」の3層構造となっている。

価格はレギュラーサイズが9800円(税込)、ワイドサイズが1万2800円(同)。手芸専門店を展開する同社は綿やクッションなどを容易に仕入れることができるため、品質に対して価格を抑えることができたという。

同社は「クラフトハートトーカイ」を主力とした手芸専門店チェーンを全国で展開。店舗数は約295店舗で、オリジナルの手芸用品や生活雑貨などを取り扱っているほか、手芸教室なども実施している。顧客の96%が女性で、40~60代が中心。ECサイトも運営しているほか、昨年からはBtoB事業にも本格参入し、ホームセンターなどへの卸売や集客目的のワークショップなどを行っている。

一方、既存の手芸愛好家が減少していることが課題で、店舗の統廃合も進んでいる。新規客を開拓するための新事業の立ち上げを模索し、手芸教室などで顧客にリサーチを行ったところ、約7割の顧客が「睡眠」に関する悩みを持っていることが判明した。手芸は首や肩に負担がかかることから、質の高い睡眠を手芸愛好家に提供したい考えだ。

同社の主要客である40~60代女性が主なターゲットだが、新しい客層の開拓にもつなげる。そのため既存事業と切り離し、独立したブランドとして成長させる方針で、InstagramなどのSNSではアスシアブランドの公式アカウントを開設。専用のブランドサイトも公開した。

寝具はすでに多くのメーカーが参入する中、自社で店舗を展開している点が強みになるとみている。筒井和宏社長は「実店舗があることで商品に対して安心感を得られる」と話した。睡眠や枕の専門家である山田氏が開発に携わっている点も競合商品との大きな差別化になると強調。手芸教室で枕カバーの制作や刺繍に関する講習会を実施するなど、これまでの経営資源も有効活用する考えだ。

発表会でアスシア枕を試用する野呂氏と高さを調整する山田氏

アスシア枕の広告キャラクターとしてタレントの野呂佳代さんを起用。発売に合わせて野呂氏が出演するWebCMをブランドサイトやYouTubeなどで公開した。CMではハンバーガーショップを訪れた野呂氏がハンバーガーを自分好みにカスタマイズする様子を描き、自分に合った高さに調整できる同製品の特長を表現。野呂氏がラジオパーソナリティーとなり、山田氏と共にアスシア枕を紹介する145秒の動画「アスの幸せラジオ」もブランドサイトで公開した。

発売当日に実施したメディア向けの発表会では、野呂氏がパジャマ姿で登壇し、ステージ上で実際にアスシア枕を試用した。山田氏を交えたトークセッションでは、野呂氏の体格に合った高さに枕を調整する実演も行った

山田朱織枕研究所は2003年に設立。睡眠姿勢に関する研究や商品開発を実施しており、代表商品の「整形外科枕」は8万人以上に愛用されている。アスシアブランドの第2弾も睡眠に関する商品を予定しており、山田氏が監修するという。

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