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万城食品HDとキユーピーが新会社設立 「フードシナジー」で魚食普及に新たな一手

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わさび製品を中心に香辛料・調味料の開発・製造・販売事業を統括する万城食品ホールディングスが、4月1日付でキユーピーとの業務提携により新会社「万城シーズニングパートナーズ(BSP)」を設立する。27日に開催された新会社BSP 戦略&新商品発表会において、今後の方針と新商品を発表した。

四季(SEASON)を通じて調味料(SEASONING)のパートナーとして貢献し続ける決意を、社名の「シーズニング」の頭文字「S」で表現している。

 

BSPは万城食品の一部事業を分割する形で、生鮮、コンビニエンスストア販路を管掌。キユーピーからマイノリティ出資を受け、経営は万城食品が担う。出資比率は非公開。

新会社設立の背景には、国内での魚食需要の減少がある。これまで万城食品は調味料シリーズ「さかなごはん」などを販売し、キユーピーでは『旬のやさかなレシピ』推進プロジェクトなどで魚と野菜の消費拡大を推進するなど、両社ともに消費者の魚離れの一因でもある「調理方法が分からない」「調理に時間がかかる」という課題に応える形で、鮮魚販路の拡大を図ってきた。今回の協業により両社間でより堅固な協業関係を築き、生鮮鮮魚販路における持続的な事業成長モデルの確立を目指すとしている。

BSP代表取締役常務執行役員の三代康雄氏は「互いの強みを持ちより、鮮魚売り場に新たな展開をしたい」と話し、新たに開発した漬け魚に使用する業務量オイルソース3種を紹介。協業の第一弾として、2024年秋より順次販売を行うことを発表した。

「水産庁の調べによると、多くの魚介類で購入量が減少している中でも、切り身で販売される魚介は比較的安定的に消費されている傾向がある。魚介の喫食機会創出として、スーパー等で漬け魚に使用するオイルソースのバリエーション拡充に着目。今回、BSPが持つ漬け魚商品の評価基準と、キユーピーがもつ内・中・外食に対応する商品開発力といった両社の強みをかけあわせて開発を行った」(三代氏)。

2024年秋から全国の鮮魚流通、加工業者にむけて発売する「BK生姜ねぎ塩オイルソース」「BKバジルオイルソース」「BKバター醬油オイルソース」の3種。

万城食品、キユーピー、ケイパック(キユーピーグループの小袋調味料メーカー)で展開している商品群。

続いてBSP経営企画室室長の河本和幸氏が登壇し、第一期中期事業計画「Refresh3か年」を説明。BSP単独売上90億円、グループ連結売上100億円を目指すとした。

取組みの一例として、新たに「店頭マーケター」として従来のルート営業担当者の役割を強化する。例えば漁獲量や価格の変動に対して代替メニューを提案するなど、クロスMDや売場保守に関する鮮魚売場の課題を解決。4月から6月にかけて実証実験をしながら、2024年度中に約20企業に対して展開していく方針だという。

キユーピー 取締役上席執行役員の濱崎伸也氏は「パートナーとして事業成長を追求しながらも、何よりも魚食文化の醸成と需要創造を目的にしていきたい」と強調する。

そのひとつが「フードシナジー」の提唱だ。魚のたんぱく質と野菜の栄養素を同時に摂取することによる効果といった健康軸での訴求のほか、刺身と野菜を和えたサラダで時短・ボリュームアップを図るレシピなどを提案。トレーやワンポイントシールを制作してトータルで販促活動を行っていくとともに、ミールキットの展開なども検討している。

BSPの営業本部本部長 鈴木圭信氏は、「魚と野菜のさらにおいしい食べ方を模索していくことで、消費者の方々の魚に対する印象をBSP発信で変えていきたい。また魚をもっと身近に感じてもらえるよう鮮魚カテゴリに貢献していきたい」と今後の展望を語った。

フードシナジーシンポジウムに登壇した、BSP鈴木圭信氏、料理家の和田明日香氏、管理栄養士の赤石定典氏。
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