そこからまず、デザインの軸となるコンセプトコピーを石本さんが考えた。「春にもらった言葉は、ずっと、あたたかい。」から始まり、「ひと言で、ひと味ちがう贈り物。」で締めくくられるコピー。「購入者にとってきっと一番嬉しいのは、贈り物をあげた相手が喜んでくれる瞬間。そこにフォーカスしました」と石本さんは説明する。

安藤さんは、誰かが誰かに「言葉を贈る」というテーマから、左右の花びらの形が向かい合う人の横顔になっている白い花のイラストを制作。中央にシールを貼ることで、人から人にメッセージが伝わる様子を表そうと考えた。「花をモチーフにしたのは、誰かへの贈り物の象徴であり、春にぴったりだから」(安藤さん)。切り絵のようなクラフト感のあるイラストに仕上げている。
大きいサイズの手提げは17 万枚、小さい方は約8 万枚を用意し、「治一郎」の全国28 店舗で使用。旗艦商品の「治一郎のバウムクーヘン」のみ、包装紙でも本デザインを採用した。

さらに店員向けには、手提げと同じ花のデザインのバッジも制作。手提げ同様に、中央の部分に好きなメッセージのシールを選んで貼れるようになっている。各店では「言葉を贈る手提げ」のデザインをきっかけに、来店客との会話も生まれている。



スタッフリスト
- 企画制作
- ヤタロー+marii+AO CHAN
- AD+D+I
- 安藤真理
- C
- 石本香緒理
- 撮影(手提げ)
- 早川佳郎
ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター