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モンデリーズ、店内ビジョンと「ファミペイ」広告活用で新商品の売上が7倍に

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3rdPartyクッキーの利用規制を前に、生活者と直接の接点を持ち、1stPartyデータを蓄積する小売企業をはじめとする産業にマーケティング支援の期待が高まっている。その期待の表れが、市場が活性化する「リテールメディア」だ。国内リテールメディア市場を牽引するのが2020年に創設されたコンビニ購買データを活用したデジタル広告を提供するデータ・ワン。同社が提供するファミリーマートのメディア「FamilyMartVision」を活用した、モンデリーズの取り組みについて話を聞いた。
写真 人物 集合 左からデータ・ワン 第二営業部 マネージャー 三浦将幸氏、取締役 第三営業部 部長 粂内慎司氏、モンデリーズ・ジャパン カテゴリープランニング&アクティベーション本部 部長 当山寛之氏
左から)データ・ワン 第二営業部 マネージャー 三浦将幸氏、データ・ワン 取締役 第三営業部 部長 粂内慎司氏、モンデリーズ・ジャパン カテゴリープランニング&アクティベーション本部 部長 当山寛之氏 (※2024 年2月時点)

購買データを基にターゲティング外部広告の配信も支援する

─皆さんの部門の業務領域についてお聞かせください。

当山:私の部門ではモンデリーズの主力商品であるガムとビスケットの販促計画立案や、店頭企画の開発を行っています。店頭販促の新たな施策としてリテールメディアには以前から注目しており、今回のデータ・ワンさんとの取り組みにつながりました。

粂内:私たちデータ・ワンは伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントの4社により設立された、リテールメディアカンパニーです。その中で、私たちはファミリーマートに設置されている「FamilyMartVision」の広告の他、ファミリーマートなどのPOSデータと、docomoのdポイントデータを活用したデジタル広告の営業を担当しています。私たちが扱っているリテールメディアは、インストアメディアに加え、データを活用した外部広告プラットフォームへの配信も含まれている点が特徴です。

三浦:購買データを基に配信できるIDは、2024年3月時点で3200万超と国内最大級の数となっています。

─モンデリーズさんでは、リテールメディアの活用はいつ頃から検討し始めたのでしょうか。

当山:営業部がファミリーマートと商談するなかで、有効な手段として提案いただきました。私たちにとって重要、かつ難しい課題なのは、新商品の認知を得ること。広告予算が限られている中で、より購買につながる広告投資としての効果に期待があり、出稿を決めました。実際に取り組みを始めたのは、昨年度からです。

消費者の嗜好性が多様化している中、昔のようにマス広告しかなかった時代と異なり、今は、目的やターゲットに合わせて多くの選択肢があります。ファミリーマート店舗に来店されるお客さまに限定し、その中で購入確度の高い人を各種データを基に導き出し、店頭サイネージとファミマのアプリ「ファミペイ」のリアル、デジタルを組み合わせた施策を実施したことで、購買につながる適切な認知獲得の広告施策が実現できたと考えています。

─今回は「FamilyMartVision」と「ファミペイ」広告を活用したとのことですが、それぞれの特徴を説明ください。

粂内:「FamilyMartVision」は現在、全国約1万6300店舗のうち、約1万店舗に設置されています。レジ上に大きなモニターが3つ並び日常的に足を運ぶコンビニの店内で、自然と目に入るのが特長です【図1】。

図 放映イメージ
サイネージ設置店舗では、約30坪の店舗でレジ上に大型モニターが3つ設置され音声も流れる。POSリフト・アンケート・AIカメラの各データを活用し、「売上効果」「意識調査」「視聴者解析」の3つの視点で、出稿後の効果検証が可能となる。

三浦:「ファミペイ」広告は、ファミリーマートの公式アプリ「ファミペイ」上で配信されるもので、購買データを用いたターゲティングが可能です。

1週目・2週目で打ち手を変えて広告効果の最大化を図る

─具体的な取り組み内容と、結果をお聞かせください。

当山:2023年9月、ガムを通じたリラクゼーションタイムを提案する「クロレッツ AROMA TIME」を新たに発売しました。認知だけでなく購買まで一気通貫で行える店頭という場で、トライアルの獲得を狙っての出稿でした。リラクゼーションをテーマにした商品で新たなガムの喫食シーンの開拓を目指しています。今回は店頭のPOPデザインと連携したものと、CM動画を組み合わせて2週間放映しました。

粂内:コンビニにおいては、発売から2週目以内に、いかに売上をつくるかが重要です。今回は1週目に、対象のモンデリーズ商品を購入した人に対して「AROMA TIME」のクーポンを「ファミペイ」上で発券。2週目はクーポンを所有している人に対して広告を出しました。また、「FamilyMartVision」においてもクーポン引換の告知を出して最大化を狙っています。ここで、1週目と2週目で広告出稿の目的を変えたのが大きなポイントです。1週目は、なるべく多くの人に対象商品を買ってもらい、商品及び施策の認知を広げること。2週目は、すでにクーポンを持っている人に引き換えてもらうことが目的です(結果は【図2】)。

図 効果検証の結果
広告非接触者の売上を1とすると、「FamilyMart Vision」と「ファミペイ」広告の両方に接触した人の売上は約7倍という結果になった。

当山:ここまで明確に効果が出ることに驚きました。また、これまでの店頭の販促施策は効果の可視化が難しかったので、こうした結果を蓄積していくことで、プランの改善にもつなげていけると感じました。

三浦:「ファミペイ」広告では過去の購買者などに絞ってターゲティング配信ができるので、既存ブランドの活性化にも役立ちます。さらに各種SNSやニュースサイト、OOHなどの他媒体と連動したパッケージも提供していますので、生活者の動線に沿った訴求も可能です。

─メーカーの皆さんは、このようなデジタル広告施策の結果をどのように受け止めているのでしょうか。

当山:コンビニというチャネルは当社ガム事業において非常に重要なポジションを占めています。さらにコンビニで購入したお客さまがその後、スーパーなどでも購入されたという流れがあります。ですから、こうした事例を重ねることで、その後の商談でも自信をもって提案できる。エリアごとの数値なども生かせる部分があるのではないかと考えます。

─今後の展開についてお聞かせください。

当山:広告効果の分析も含め、協業しながら、より効果的な施策を実現していきたいと考えています。

粂内:今後はクリエイティブの違いによる販売効果検証などを積極的に行っていきたいですね。既に行っていますが、テレビCMに出稿する前に動画広告をA/Bテストするという事も可能です。

また「FamilyMartVision」とデジタル広告の掛け合わせに加え、テレビCMなども掛け合わせた検証もしていきたいと考えています。

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