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生成AIを活用したチャットボット「DMMチャットブーストCV」の可能性

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1950年代から始まったAIの歴史は2023年、第四世代を迎えた。第四世代では、ChatGPTやステイブル・ディフュージョンといった「生成AI」の領域が急速に進化している。そんな生成AIを、マーケティングの分野で活用しているサービスの一つが、Algoage(アルゴエイジ、東京・文京)が開発・運用する成果報酬型のAIチャットボット「DMMチャットブーストCV」だ。

■「創造」の領域でAIが活用される時代に

「インターネット広告は過去15年で市場が約4.5倍にまで伸びてきています。その急速な成長を後押ししているのが、2008年頃から伸びてきたアドテクノロジー。アドテクノロジーでは、インターネット広告のポイントとなる「誰に」「何を」の部分にAIが活用されています。『誰に』の部分ではCVRを踏まえて判断し、『何を』の部分では、CTRを踏まえ、複数の選択肢からどの広告を表示するかを決定します」(Algoage プロダクト部門長 成田 穂高氏)

このようにAIを使ったマーケティング活動は、誰に何を表示するのかといった運用の最適化を目指す「適用」領域と、動画や画像、コピーなどのクリエイティブの作成を行う「創造」領域の2つに分けて行われてきた。特にこれまでは適用の領域でAIが活用されてきたが、今後は創造の領域でインパクトを伸ばしていく時代が到来するという。

さらに「創造領域の中にも2ステップある」と成田氏。ペルソナの設定やユーザーインタビューを通したペイン/ゲインの高解像度化などを行う「戦略立案」と、その次のステップであるコピーの生成やクリエイティブの作成を行う「制作」があると説明した。

■生成AIに代替し工数の半分を削減

そんな「戦略立案」の部分に生成AIが使われている事例として挙げられるのが、AIチャットボット「DMMチャットブーストCV」だ。新規顧客の獲得に特化したサービスで、約9割が離脱すると言われるLPの訪問者に対して、インサイトに向き合ったチャットコミュニケーションを通して「納得度の高いCV」を生み出している。CV数による成果報酬型のサービスであるため、初期費用や月額費用がないのも特徴の一つ。

具体的には、ユーザーがブラウザバックや、他のタブに移動するなど、LPから離脱するアクションを行うと、ポップアップが画面上に表示され、そのポップアップをクリックすると画面は、LINEの「友だち」追加画面に遷移する。そこで友だち追加をすると、LINEを介したコミュニケーションが開始するという仕組みだ。

「LINEコミュニケーションの中では、CVしなかったユーザーの悩みや趣向をヒアリングすることで、不安の払拭やLPサイトの訪問理由から離脱した理由までを高解像度化し、各ユーザーに適切な訴求内容で再度サービス紹介をしています。同サービスでは、そういった『情報収集』『情報整理』『ニーズ理解』といった戦略立案における3ステップを、生成AIに代替させています。人力で行なっていた頃と比較して工数の半分を削減できたという事例もあります」(成田氏)

この工数削減に寄与しているのが、Algomatic(アルゴマティック、東京・中央)が開発・運営する「シゴラクAI」だ。Algomatic 代表取締役 大野 峻典氏は「生成AIを活用する際に考えられる課題を解決したサービスになっている」と話す。

「特徴としては大きく3つあります。まずは自社データが漏洩しないような安全なAI利用環境を用意していること。次に豊富なテンプレートがあることです。初めは生成AIをマーケティングリサーチやLPの分析、ペルソナ設定などに活用できるということすら分からないと思いますが、テンプレートから”できること”を想起できます。そして、やりたいタスクを選ぶだけで必要なプロンプトが自動的に入力されます。最後に管理者の独自機能を搭載しているため、利用状況を管理者が可視化して把握することができるのです」(大野氏)

このような仕組みで、生成AIを活用しながらCVの最大化を目指す「DMMチャットブーストCV」だが、バージョンアップした「DMMチャットブーストCV 2.0」も登場している。これまでと最も異なるのは、レコメンドできる商品点数の多さだ。今までは約10個までだったのに対し、何千万もの商品点数からのレコメンドが可能となった。

「たとえば、人材系のサービスに活用する場合、年齢や働きたい職種、エリアなどの取得したゼロパーティーデータに合わせて、あらかじめ連携しているデータフィードから、おすすめの求人を引っ張ってきてLINEでレコメンドすることができるようになりました」(成田氏)

※ゼロパーティーデータとは、米調査会社フォレスター・リサーチが提唱した概念で、「ユーザーが意図的かつ主体的に企業と共有するデータ」のこと。購入の動機や具体的な商品の活用エピソード、メールマガジンで受け取りたいテーマやトピックス、受信の諾否などが該当する。

そのためこれまでは、フィットネスやサロンなどの商品点数が少ない顧客限定での提供だったが、今後は不動産や人材、ECといった膨大な商品件数を持つ企業にも同じ様な価値提供ができるようになるという。

■課題も踏まえた共存が大切

海外では、「制作」の部分においても生成AIの活用が進んでおり、簡単にコピーやコンテンツ生成ができるサービスや、写真撮影すら不要になる画像生成に特化したサービスなどが登場している。しかし、そんな生成AIにもいくつかの課題が存在するという。

「生成AIによりコンテンツを大量生成できる様になった結果、『MFA』と呼ばれる広告収入目的のサイトを作成する人も増えるようになりました。その結果、記事の内容よりも多く広告が掲載されているメディアの増加や、適切ではないコンテンツに広告が掲出されるなど、ブランド既存の観点で問題視されています。アメリカではインプレッション数の約20%がMFAを経由しているという調査も出ているなど、今後日本でも注目される概念になるのかなと思います。こうした課題も踏まえながら共存していくことが大切です」(成田氏)

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このようにマクロトレンドの後押しもあり、積極的な活用が予想される創造領域に比べて、まだまだ連続的な改善施策が必要な適用領域。しかしその一方、「『ゼロパーティーデータ』をキーワードに、適用領域でもまだまだできることがあると考えています」と成田氏は話す。

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株式会社Algoage
EMAIL:sales@algoage.co.jp
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