60代で初めて飛び込んだ販売の世界 Bshop 二子玉川・中村さんの接客観

販売・接客の現場で活躍する、キーパーソンに迫る本企画。今回は、二子玉川のBshopで働く中村早苗さんにフィーチャー。まったくの未経験だった接客業、ある想いから同店の開店と同時に入社した中村氏は、14年目を迎える接客をどのように捉えているのか。「今を大切にしたい」と考える中で、これまで接客で大事にしてきたことを教えてもらった。

※本記事は月刊『販促会議』2024年4月号に掲載されています。

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今月のキーパーソン

写真 人物 プロフィール 中村早苗氏

Bshop 二子玉川店
中村早苗氏

同店のオープンにあわせて入社。2010年4月の開店と共に勤務開始。同店には、週に3日出勤している。

「できることを積極的に」働く日々が大切な時間

──まずは、中村さんのご経歴を教えてください。

最初は日本にアメリカントラディショナルスタイルを浸透させたファッションブランド「VAN Jacket」に勤務して、結婚を機に退職した後は、長い間専業主婦として過ごしていました。

今働いているお店との出会いは、「二子玉川で働きたい」と思ったことがきっかけです。幼少期は浅草の下町で育ったこともあってか、都会に広々と佇む二子玉川という街に憧れを持っていたのだと思います。

過去の経験から、アパレル業界に関心はあったものの、接客や販売業の経験はこの店舗がほとんど初めてでした。ただ、年齢のことを考えると、できるのは販売員だと思っていたのです。そのため、二子玉川で販売員の仕事を探していたら、同店舗開店の話を聞いて。2010年4月の開店に合わせて入社し、そろそろ14年目を迎えますね。

──店舗では、どのような業務を行っていますか。

店舗には、週3日、開店準備から18時まで勤務しています。3日のうち、2日は週末です。

お昼休憩に食事をとったら館内(玉川髙島屋S・C)を歩いたりして、1日のほとんどを立ちっぱなしで過ごしていますね。そんなに長い時間立っていると、よく周囲から「週末は休みたくならないの?」と聞かれることもしばしばです。

ただ私の場合、年齢を重ねるにつれて、週末に休みたいという気持ちよりも、今働ける時間を大切にしたいと感じるようになりました。

パソコンを使うといったデジタル関連業務は苦手なので、力になれません。だからこそ、店舗で自分ができることや得意なことには誰よりも力を入れることを意識しています。開店前は人一倍丁寧に掃除をしていると評価してもらうことも多いです。

例えば、ショッパーの補充もそうです。「誰かができるから」と思わず、気づいたらすぐに行う。そういった心がけは、自然と大事にしていますね。


写真 人物 個人 中村早苗氏
開店準備中の掃除は、人一倍念入りに。

写真 人物 個人 中村早苗氏

声かけのスピードはピカイチ 相手が選ばない色を探す

──接客時に大事にしていることはありますか。

まずは「不快感を与えない」こと。そして、「おしゃべりをして楽しい相手になる」ことです。

当店の来店層は性別・年齢共に様々です。80代の方もいらっしゃるなど、施設内の他店と比べて、年配のお客さまの来店も多い印象です。どんな相手に対しても、相手に不快感を与えない接客を心がけていますね。

というのも、私は、声かけの早さには自信があります。私自身は、無意識のテンポ感で声をかけているようなのですが、お客さまに早く声かけしている分、よい印象と楽しく話せそうな雰囲気を持ってもらうことができているのだと思います。

──基礎的なことですが、とても大事ですよね。

そうですね。その基礎を意識した上で、行っていることもあります。

それは、お客さまご自身では選ばない色の服やアイテムを選んで提案することです。

すると、よく返ってくるのは「いやいやこんなの着たことないから似合わない」という否定の言葉です。そんな時は、お客さまの否定的な意見を「それは違う」と言っていますね(笑)。そこからもうワンプッシュして、提案を行ってみます。

最近だと、赤いコートをご提案した結果、購入いただいたお客さまが、わざわざ感謝の言葉を伝えるために再来店してくださったことがありました。「あの時にすすめてもらって、背中を押してもらって本当に良かった」と。

自分では選ばない色を提案すると、お客さま自身も知らない自分を発見できて楽しいと思うのです。実際に、提案したアイテムを着用して、顔つきがパッと明るくなるお客さまを見る瞬間は、本当に嬉しくて。販売員冥利に尽きると思います。


写真 人物 個人 中村早苗氏

写真 人物 個人 中村早苗氏
店舗にはフルタイムで勤務。「この年齢になっても働かせてもらえて、会社にはとても感謝しています」と中村氏。

店頭は励みを得る場 提案力は愛用してほしい想いから

──長く続いたコロナ禍。中村さんの接客観に変化はありましたか。

コロナ禍は、お客さまとのコミュニケーションをより深めた期間でもあったと思います。

というのも、コロナ禍を機に私が店頭から退いてしまうのでは、と気にかけてくださるお客さまが想像以上にいらっしゃったのです。

それだけではなく、コロナ禍でも来店してくださったお客さまの中には、ただ会うだけでも喜んでくれる方も多くいらっしゃったので、その時は、より店頭が励みの場になっていましたね。

──店舗での接客経験は、間もなく14年目になりますね。

これまで様々な経験を重ねてきましたが、常に“今が一番良い”と思って過ごしています。最初のキャリアも、家庭での時間も、今の接客業も。すべてにおいてです。

なので、今を大切にして、接客も頑張っていきたいと思っています。「歳だから」というワードは、口にしないですし、考えたこともありませんね。

実は、私には大好きなビンテージアイテムを身に着けて働くというマイルールがあります。そのため、一般的なショップのように、勤務するブランドのアイテムを着用しながら接客することはしていないんです。

それでも、私がビンテージアイテムをずっと好きで着用しているように、お客さまにはBshopのアイテムを同じように愛用してほしい思いで接客しています。これからも、そのような想いをもって接客することは変わりません。

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月刊『販促会議』2024年4月号


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