出稿場所はエスカレーターの手すり WEBTOON広告の最適解が生まれるまで

ナンバーナイン WEBTOON×エスカレーター広告

「WEBTOONって縦長じゃん?めっちゃ縦長で広告打てるとこって、エスカレーターのベルトじゃん?と思ってノリで作った広告がこちら。」投稿された1つのツイートに映っていたのは、縦スクロールで読む漫画WEBTOONがエスカレーターのベルトにプリントされている様子だった。X(旧Twitter)で88万インプレッションを超え、バズった広告企画が生まれるまでの裏側を、出稿主であるナンバーナインの小禄卓也氏に聞いた。

2023年7月20日に広告展開を開始した、ナンバーナインのオリジナルWEBTOON『ラッシュナイト』。出稿場所は、マルハン新宿東宝ビル店。

ナンバーナインは、電子コミックの配信サービスなどを手掛けるクリエイターエコノミー事業や、縦スクロール型の電子漫画WEBTOONの企画、制作、販売などをはじめとしたWEBTOON事業を手掛けている企業だ。

やるべき準備はすべてやった
しかしこれではバズらない

そんな同社は7月20日、WEBTOONを訴求する広告展開を開始した。出稿場所に選んだのは、エスカレーターのベルト。いわゆる手すりにあたる部分だ。X(旧Twitter)で出稿を告知する投稿をするや否や、大きな話題をよんだ。

本企画を手がけたのは、ナンバーナインのCXO小禄卓也氏。WEBTOONの宣伝施策を行うにあたり、これまでに見たことがないような表現で広告を打てないかと考えていたのが企画の始まりだったという。

※チーフ・エクスペリエンス・オフィサーの略

「今回掲出したのは、WEBTOONの『ラッシュナイト』という作品の広告です。この作品は、音楽×復讐劇をテーマに繰り広げられる物語で、LINEマンガで先行配信されています。『ラッシュナイト』は、配信スタートにあたって様々なプロモーションを準備してきました。例えば、音楽系の物語ということもあってサウンドトラックをつくってSpotify等で配信してみたり、SNSで広告を回したり、YouTubeでティザー広告を流したり。やるべき準備はやってきていたはずだったのですが、『バズを生む』観点では、何かが足りないと課題に思っていました」(小禄氏)。

当時『ラッシュナイト』が想定していた課題は、作品のコアターゲットとLINEマンガのコア利用者層がマッチしていないこと。また、過去にナンバーナインが制作した他のWEBTOONと比較して、LINEマンガ内での販促施策数が少ないことが決まっていたため、LINEマンガの外で施策を行う必要があったのだ。

「もちろん、作品自体が面白いという自信はありました。だからこそ、もっと多くの人に知ってもらいたい一心でしたね。WEBTOONを魅力的に見せられる良い表現があればバズると信じて、これまでに見たことがない方法で広告を打てないかと思案していました」(小禄氏)。

縦長のOOHを探し求めてやっと見つけた広告媒体

小禄氏が「バズ」を生むために考えていたのは、これまでに見たことがないような表現方法でWEBTOONを訴求すること。縦型スクロールの形式もまだ十分に浸透していない日本で話題化を図るためには、圧倒的なビジュアルインパクトが必要だと思っていたという。

「今回は作品だけでなく、WEBTOONの特徴である縦型スクロール形式の認知も拡大したいと思っていました。そこで注目したのが、WEBTOONとは切り離せない“縦に長い”という特性。これを活かせる広告媒体はどこにあるのかと探していたところ、見かけたのが渋谷のスクランブル交差点から見えたOOH広告。縦に長い広告はWEBTOONにぴったりだと確信しましたね」(小禄氏)。

これまでも様々なSNSプロモーションを行ってきたが、小禄氏はどれも思わしくない結果になっていた要因に、媒体で載せられる画像の大きさがあったと話す。そもそもInstagramやX(旧Twitter)で載せられる画像は四角形。複数枚であれば、横にスクロールする必要がある。縦に長いWEBTOONの特徴を伝えるには難しさを感じていた。

「縦長のOOHがWEBTOONの特性にマッチすることに気づいてから、街中の縦に長い広告を探しまくりました。でも、OOHは横長の長方形が多くて。しかも縦に長くしようと思ったら、高さがある媒体ばかりが見つかる。さらに、出稿も高額で予算をゆうにオーバーしてしまうんですよね。電柱広告も視野に入れましたが、地域によって差はあれど道案内の役割を担う広告である必要があるらしく、断念しました。そこで、やっと見つけたのがエスカレーター。足元に出稿するのはよく見かけますが、私たちが目をつけたのは、手すりであるベルトです。縦スクロールという特性とも動きがマッチして、WEBTOONを読むのと似たような体験が提供できる広告媒体の最適解だと思いました」(小禄氏)。

出稿だけで終わらせない
話題化の裏側にSNSの存在

これまでに見たことがないようなユニークな企画とはいえ、ニッチメディアであり、限られた人の目にしか触れない場所への掲出。ただ広告を出すだけでは、話題化が見込めないことは、読者の皆さんも想像がつくのではないだろうか。

そこで小禄氏が行ったのは、自らのX(旧Twitter)での拡散。掲出の様子を投稿したところ、88万を超えるインプレッション、2000件以上のいいねを獲得。「面白い」という声の他にも、「速すぎて読めない」などのツッコミのようなコメントも集まり、エスカレーターへの出稿という企画の切り口以外でも、「バズ」を生むことができたのだという。

「話題化という目的は達成できましたが、肝心の目標は読者の獲得です。7月20日に広告を展開した後、配信開始から数日が経過してもカテゴリランキング入りしていました。デイリーでも数万viewsを獲得でき、読者の獲得も果たせたのではないかと考えています」(小禄氏)。

現状、WEBTOON広告としてエスカレーターのベルトに出稿した事例はまだ見つかっていないと小禄氏。「広告どころか、WEBTOONを読む媒体としても適しているのではないかと思い、この表現手法を勝手に『ハンドレールコミック』と名付けました。エスカレーターのベルトがWEBTOON広告の最適解として出稿する人が増え、WEBTOONをもっと広められることの一助となれたら嬉しいです」(小禄氏)。

 

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スタッフリスト

企画制作
ナンバーナイン
企画+演出
小禄卓也
D
國嶋紗季

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター

ナンバーナイン
取締役CXO
小禄卓也氏

 




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