花王、銭湯との協業でヘアケア訴求 体験機会の創出で高級ブランド周知

原宿の美容イノベーターへの訴求に期待

花王は、4月17日に開業した東急プラザ原宿「ハラカド」で同社製品の体験コーナーを展開している。地下1階には銭湯「小杉湯」がプロデュースした「銭湯を中心とした街」のようなフロア「チカイチ」を展開しており、複数のパートナー企業が体験企画や情報発信を実施。花王は創業時から販売を継続している「花王石鹸(花王ホワイト)」をテーマに同社の歴史や文化などを伝えている。4月20日に本格販売を開始した新ヘアケアブランド「melt(メルト)」の体験型イベントも複数のフロアで展開。同ブランドで高価格帯市場でのシェア拡大を図っており、今回のような体験企画による訴求を推進する。

「チカイチ」では花王の「清潔・清浄文化」や歴史を体験してもらう

「チカイチ」には「小杉湯原宿」を中心に、様々なパートナー企業がブースを展開。花王のほか、スポーツ用品ブランド「アンダーアーマー」などを手掛けるドーム、美容健康ブランド「MYTREX」を扱う「Setsu Planning」、サッポロビールが参加している。

花王のブースでは初代石鹸を展示。5月からは、初代や明治・大正時代のデザインの復刻販売も開始する。レトロチックなデザイン展開で原宿の客層に魅力を伝える狙いだ。「小杉湯原宿」の浴室内では「melt」のシャンプーやトリートメントを設置しているほか、脱衣室では髪用化粧水の「メルト モイストコンディショニングウォーター」を用意。入浴予約した客には「メルト クリーミーメルトフォーム」をプレゼントしている。

今回の取り組みに参加した理由として、ヘアケア第一事業部の野原聡ブランドマネジャーは「シャンプーやボディソープなどはサンプリングをしても、その場での体験することは難しい」としており、より直接的な商品体験を提供する狙いがあるという。原宿の美容師やアパレルショップ店員など、美容商品のイノベーターへの訴求効果にも期待を寄せる。体験者との会話を通じた定性調査も実施できることから「CXやフィードバックの仕組みを作れるため、マーケティングにおいても非常に有意義」と話した。

生活に関わる複数の企業が協業しているため、多層的なCXで来場者の満足度を高めることも可能としている。野原氏は「1社だけでの訴求では広告色が強いが、複数社が組むことでそれぞれの広告色が薄まる」と話す。各社のファンに商品に触れてもらい、新規客開拓につなげる期待もある。

1400円以上の「ハイプレミアム」市場への本格参入に向けて発売した「melt」

「melt」のプロモーション企画「ハラカドでmelt」も4月27日から5月6日まで実施する。「melt」を五感で体験できるポップアップイベントで、炭酸パウダーの「メルト クリーミーメルトフォーム」の特長である「生炭酸」を体験できるブースや商品展示を実施。「melt」オリジナル楽曲とオリジナルドリンクを楽しめるカフェ「melt CAFE」のほか、屋上には「melt」のオリジナルフォトスポットも用意している。27日にはラップユニット「chelmico」としても活躍している鈴木真海子氏が「melt」タイアップ楽曲などを披露するスペシャルライブを実施する。

同ブランドの世界観を体験してもらうことで、美容への感度が高い人に周知したい考えだ。ヘアメイクアップアーティストの「イガリシノブ」氏などのゲストを招いたトークイベントも開催。2階で開催する「とろける生炭酸シャンプー体験・実演」では、参加者に「小杉湯原宿」の入浴チケットを先着でプレゼントする。

4月20日に本格販売を開始した新ヘアケアブランド「melt」は、同社の高付加価値ブランドと位置付けている。現在の国内のヘアケア市場は高価格帯の構成比が高まっているが、同セグメントに対応するブランドが少ないという課題があったため、「melt」を通じて高価格帯への本格参入を図る。高価格帯商品の育成につなげる事業戦略として、体験機会の創出に力を入れる方針だ。

今後は「ビオレ」「バブ」「メリット」など様々なブランド企画や、ブランド横断型のCX企画を継続的に実施する予定。季節に応じた体験の場を提供する考えで、夏場には「ビオレ冷シート」や「バブクール」などクール系の商品を集めた企画などを展開する。野原氏は「生活を支える商材を、複数カテゴリーで持っているところが当社の特徴。季節に合わせて様々な提案を行いたい」と話した。

advertimes_endmark




この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事