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継続できる運用体制の裏側 4年目を迎えたカルビーのnote

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企業や組織がオウンドメディアとしてnoteを活用する潮流が加速してきた昨今。開設から丸3年を迎え、インナーコミュニケーションやメディア露出、編集メンバーの広報スキルの向上にも貢献しているnote「THE CALBEE」について、運用の裏側を聞きました。

※本記事は、広報会議2024年6月号(5月1日発売予定)特集「オウンドメディア 企業の“リアル”を届ける 距離感が縮まる広報戦略」 から一部転載した内容です。

開設日:

2021年3月30日

担当部署:

グループ広報部の10名

コンセプト:

カルビーのこれまでとこれからのストーリーを語っていく場

ミッション:

これまで伝えきれていないカルビーの価値(内側)を伝える

制作体制:

大半の記事は、グループ広報部7名が取材・記事作成、写真撮影を実施。一部の記事は、外部ライターが執筆。編集は社内で実施

更新頻度:

月に3~4本

総記事数:

約130本

効果測定(評価の方法含む):

アンケートによる調査。カルビーに関する理解・愛着・推奨度の向上や、イメージの訴求。短期的目安としては1本あたりのスキ数・PV数

商品の歴史や開発秘話、従業員の思いなどを伝える、カルビーの公式note「THE CALBEE」。オウンドメディアの継続に苦戦する企業が多い中、同noteは2024年4月、運用4年目に突入した。

新たな企業イメージを打ち出すフックに

公式noteのコンセプトは、「カルビーのこれまでとこれからのストーリーを語っていく場」。商品開発の裏話や現場で活躍する従業員の思いなどを伝えている。

立ち上げたきっかけについて、noteの運営を率いる同社コーポレートコミュニケーション本部 グループ広報部の櫛引亮氏は「これまで伝えきれていなかった社内の資産をお客様に伝えることで、企業に愛着を持っていただき、カルビー商品を選ぶ理由になれば」と語る。

同社では他にも公式SNSやオウンドメディアを運用しているが、商品ブランドに紐づいておりマーケティング色が強いものが多い。商品ブランドとは独立した世界観で、社内のエピソードを発信できる場としてnoteを選んだ。

同時に「企業イメージの変革」につなげる狙いもあった。「ポテトチップス」「じゃがりこ」「かっぱえびせん」などのロングセラー商品で知られる同社は、「お客様に親しみやすさやフレンドリーさを感じていただけることが多い」(櫛引氏)一方、「挑戦的」「アウトスタンディング(突出した)」などのイメージは持たれづらかった。商品の開発秘話やこだわりを伝え「カルビーの挑戦的な姿勢やアウトスタンディングな一面を打ち出す」方針も掲げた。

運用を継続できる秘訣は体制にあり

noteの執筆や運用は、同社のコーポレートコミュニケーション本部 グループ広報部のメンバーから成る「THECALBEE」編集部が担当。各部署から集められたグループ広報部唯一の横断型組織で、直近では3名が増え10名体制となった。

通常業務が異なるメンバーが揃うと、企画アイデアが多角化するのが利点といえる。また運用の持続性の観点から、編集部メンバーの一部の入れ替えを随時実施。年に1回ほど編集部内でガイドライン共有の場を設け、属人的にならず運用を継続できる体制を整えている。

記事制作はほとんどを内製しており、企画から取材・執筆・編集・写真撮影までのひと通りを編集部が担う。「制作工数はかかりますが、編集部で取材に行き直接話を聞くことで、取材対象者との信頼関係を構築でき、深い話を聞けるのではないかと内製化を決めました」と櫛引氏。

その結果、編集メンバー一人ひとりに当事者意識が芽生え、精度の高い記事制作につながっている。また取材・執筆を経てストーリーに落とし込む一連の過程は、広報スキルの向上にも役立っているという。

一方、取材内容によっては外部ライターを立てるケースもある。「従業員が聞くことで話を深く掘り下げられる内容もあれば、経営陣への取材など外部の目線を入れたほうがおもしろくなる企画もあります。内容によって内製するか外部ライターに委託するかを判断しています」とコーポレートコミュニケーション本部 グループ広報部の深谷真理奈氏は語る。

「カルビーらしさ」伝える記事づくりの秘訣とは

「THE CALBEE」編集部では隔週で企画会議を実施し、企画の選定や公開した記事の振り返りを行う。企画選びの基準は、「カルビーならではの独自性があるか」「革新的な内容か」「読者が読んで面白いか」など。加えて、取材対象や発信のタイミング、誰に届けたいかなども編集部で議論し、企画をブラッシュアップしていく。さらに公式noteに関する社内外向けアンケート(年1 ~ 2 回程度実施)の回答などを、企画にも反映するという。

「カルビーならではの独自性」を示した記事として象徴的なのが、「ポテトチップスのすべてを知り尽くした匠の“職人魂”」だ。約30年にわたり工場に勤務し、キャリアの大半をポテトチップスの製造にかけてきた従業員にフォーカス。「同一産地・品種のじゃがいもでも、その日の状態に合わせてフライの温度や時間といったオペレーションを変える」など、馴染みある商品の知られざる製造の裏側を紹介した。読み手からは「普段何気なく食べているポテトチップスにも、こんな苦労があったのかと驚いた」といった反響が寄せられている。

反響が寄せられた要因について櫛引氏は…

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続きは広報会議2024年6月号 特集「オウンドメディア 企業の“リアル”を届ける 距離感が縮まる広報戦略」からご覧ください。

広報会議2024年6月号

写真 書影 広報会議2024年6月号
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  • 座談会
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  • 中川順司 Faber Company
  • DATA
  • 担当者117人に聞いた
  • オウンドメディア運用の現状

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