カフェ戦略で利用シーン拡大 日本マクドナルド、アイスコーヒーを4年ぶりに刷新

こだわりの製法と入店しやすさを強みにカフェ市場に挑む

日本マクドナルドは5月22日、カフェブランド「McCafé(マックカフェ)」を推進する「本気カフェ宣言」の一環で、主力の「プレミアムローストアイスコーヒー」を4年ぶりにリニューアルする。焙煎などの工程を見直し、より本格的なコーヒーに生まれ変わった。需要期の夏に向けて、新テレビCMなどで周知を図る。カフェ市場はコロナ明けから回復基調にあり、マクドナルドはカフェとしての顔をアピールすることで、利用シーンの拡大につなげる考え。アイスコーヒーはビジネスマンに人気の商品で、昼食や仕事の合間など様々なシーンでの飲用を推進する。

写真 人物 5月16日のメディア向け発表会ではゲストとして千原ジュニア氏が登場
5月16日のメディア向け発表会ではゲストとして千原ジュニア氏が登場。コーヒー好きのタレントとして、リニューアルしたアイスコーヒーの感想を述べた

2023年1月に「本気カフェ宣言」を掲げて以降、様々な施策を展開している。昨年は「プレミアムローストコーヒー」をリニューアルしたほか、フラッペ、スムージー、マカロンの全国展開を開始。2024年1月にはカフェラテ・キャラメルラテを約3年ぶりにリニューアルした。SNSを通して「牛乳の甘さで砂糖なしでも十分に甘い」などの反響が寄せられた。

The NPD Groupのデータによると、2023年の外食市場におけるコーヒー・ラテの利用構成比は、アイスコーヒーが約24%、ホットコーヒーが約53%、ラテ類が約23%だった。一方、マクドナルドでは、アイスコーヒー約33%、ホットコーヒー約41%で、市場と比較してアイスコーヒーの利用が多い傾向となっている。

また、外食市場においても7~8月前後はアイスコーヒーがホットコーヒーの需要を上回っており、マーケティング本部ナショナルマーケティング部の亀井理華部長は「気温が上昇する前に準備できたので、より多くのお客さまに喜んでもらえるのではないか」と話した。

同社のアイスコーヒーは2008年に発売してから様々なこだわりを取り入れてきた。一般的には、ホットとアイスで使用するコーヒー豆は共通であることが多いが、同社はアイス専用の豆を使用。厳選した数種類の豆を、それぞれの良さを引き出すために焙煎度を変えてブレンドしている。淹れたてのコーヒーを氷に直接注いで冷やす「フラッシュブリュー製法」で後味のキレを生み出している。ドリップでは、温度や時間にこだわった専用マシンで約4分半かけて抽出することでコーヒー豆本来の味を引き出しているという。今回のリニューアルでは焙煎の度合いや抽出時のむらし工程を見直したことで、味わいのバランス向上やキレのあるおいしさを実現した。

5月21日には新テレビCMの放送を開始。今年2月に公開したプレミアムローストコーヒーのCMに続き、俳優の松田龍平氏を起用。CMでは扇風機や風鈴など夏を想起させる描写でアイスコーヒーの需要を喚起している。

マクドナルドはファストフード店としてのイメージだけでなく、カフェとしてのイメージを醸成することで食事以外の利用を増やしている。2023年の「本気カフェ宣言」以降、コーヒーのみの注文も増えており、フラッペやマカロンなどスイーツも合わせて展開することで大人から子供まで様々な客層の来店につながっている。

従来のカフェテリアだけでなく、競合のファストフード店やファミリーレストランもカフェとして訴求する戦略を拡大する中、マクドナルドは入店しやすさを武器としている。各地に店舗が点在しており、食事と一緒におもちゃなどのおまけがもらえる「ハッピーセット」などを通じて子どものころから親しんできた人も多く、カフェやレストランよりも気軽に立ち寄りやすい点が強みだとしている。幅広い客層が利用している利点もあり、亀井氏は「子どもだけで来店するケースも多い」と話した。

ホットコーヒーのリニューアルをきっかけに、マクドナルドのコーヒーのおいしさが広まっているという。新規客の獲得だけでなく、既存客でコーヒーを注文する人も増えている。今後も「本気カフェ宣言」の取り組みを推進することで「おいしくなったコーヒー類をさらに多くの人に認識してもらいたい」(亀井氏)と意気込みを語った。トレンドに合わせてラインナップを見直していく考えも示した。

マクドナルドは2023年1月に商品を値上げした。ハンバーガーは税込150円から税込170円になったが、外食産業が全体的に値上がりしていることもあり、「お得さ」のイメージを維持している。日本マクドナルドホールディングスの2024年第1四半期の売上高は前年同期比10.1%増の約1013億円、営業利益は同34.4%増の約112億円。既存店売上高は2015年第4四半期から2024年第1四半期まで34四半期連続でプラスとなった。

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