企業の本気度を社内外に伝える意義と効果を知る(戸口木綿子)~『新しい「企業価値」を創出する PR4.0への提言』に寄せて

この本は、“今”念頭におくべき世の中の潮流にフォーカスし、企業の広報・PR担当者はもちろん、経営者に向け、それらに対して実践すべき7つの視点を示しています。社内広報、社外広報、コーポレート広報、プロダクト広報、危機管理広報、採用広報、グローバル広報…全ての広報に携わる人にピンポイントに刺さる章が用意されているだけでなく、それらどの専門であっても知っておくべきが、レピュテーションマネジメントです。

これまでは、影響力のある一人の有名人に商品を持ってもらい、あるいは圧倒的に人気のあるアーティストにテーマソングを1曲書き下ろしてもらうだけで、人はこぞってその商品を求め、企業を愛してくれました。

しかし、今はスマートフォンの普及とソーシャルメディア利用の拡大、多様性重視の風潮により、“個”へメッセージを伝えられた者が勝ち、“個”からの発信が大きな力となる時代。広報担当者は企業からの発信を好意的に受け止めてもらうことの難しさに頭を悩ませ、ありとあらゆる手段を講じています。

その中でも大切にすべきは、メディアが報道したくなる企業や商品として魅せられるよう、単発のニュースで終わらせず、それが世に必要な理由や背景、これまでのあゆみをストーリーとしてメディアに報道してもらうための仕掛け。誰もが気軽に情報発信できる今だからこそ、価値あるネタとして認めてもらうことが、広報担当の腕の見せ所です。

コロナショック後に重要度が増した「インターナルブランディング」についても、第3章で取り上げています。ここでは経営理念浸透強化を徹底的に行う企業の実例を挙げ、会社に何を用意してもらうかではなく、自分がどうしたいかを考え行動する人材育成に成功した取り組みが紹介されています。一朝一夕に真似できるものではないからこそ、企業の本気度を社内外に伝える意義と効果を知れば、今すぐ着手したくなるはず。

理想論ではなく実務で役立つ広報の知識を身につけたい、ビジネストレンドをとらえ日々変化する世の中にしなやかに適応していきたいという方は、ぜひともこの書籍で共に学びましょう。

戸口木綿子
とぐち・ゆうこ
リブラン 宣伝部広報担当 課長

音楽大学声楽科出身。24時間楽器演奏可能賃貸マンション「ミュージション」を手がけるマンションデベロッパー株式会社リブランに2013年入社。営業、宣伝、広報とジョブチェンジし、2023年“4,000人が入居待ちの防音マンション”として、同社史上最多メディア露出フィーバーを起こす。上級SNSマネージャー、ウェブ解析士などの資格を活かした、マーケティング視点と掛け合わせた広報戦略立案と機動力が強み。

『新しい「企業価値」を創出する PR4.0への提言』
編著:株式会社 電通PRコンサルティング

本書は、電通グループ内のPR領域における専門会社である電通PRコンサルティングが2020年8月から3年間、月刊『広報会議』(宣伝会議発行)において連載した「データで読み解く企業ブランディングの未来」をベースに、現在、そして来るべき広報の未来に向けて加筆しました。
『PR4.0への提言』は、序章と7つの章で構成されています。序章では、まずPR(パブリックリレーションズ)の進化について振り返ります。PR1.0は情報拡散を目的としたPRとして位置づけ、その後はPRの効果測定の指針として世界的に採択されている「バルセロナ原則」(※)に照らし合わせ、2.0(アウトプットからアウトカム)、3.0(インパクトの評価)としています。そして来るべき「PR4.0」はどこに向かうのかを、本書を通して考察していきます。
定価:2,200円(本体2,000円+税)
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