ECの利用につながるリアル店舗 体験者のEC訪問頻度1.5倍の「売らない店」、ZOZO

アプリのリニューアルで研究成果を反映

ファッションのECサイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、2022年12月にオープンしたリアル店舗「niaulab by ZOZO」(東京・渋谷)を通じて、既存サービスの利用者の増加や新規サービスの開発につなげている。同店舗では販売は行わず、一人ひとりに最適なコーディネートを提案し、「似合う」を研究することが主な目的だ。体験者の「ZOZOTOWN」への訪問頻度も1.5倍に増加したほか、購入金額も約2倍に伸長。応募時に会員登録が必要となるため、未会員の顧客の新規獲得につながったとみる。5月9日には、同施設で得た知見を基にファッションコーディネートアプリ「WARE」に新機能を追加し、「WEAR by ZOZO」としてリニューアルした。

「niaulab by ZOZO」の研究成果を反映させた「WARE by ZOZO」

「niaulab by ZOZO」は、2022年12月16日に表参道でオープン。同社独自のAIやプロスタイリストが最適なファッションを提案するサービスで、ZOZOTOWNの人気ブランドを横断して試着できる。体験データを研究に利用することが目的のため、体験料金は無料。1人につき2時間以上の貸し切りで、抽選による完全予約制となっている。

利用者の8割ほどが女性で、20代が多い。2023年2月~2024年4月の集計データでは、累計約11万人が応募し、平均応募倍率は100倍以上。累計約1000人が体験し、アンケートでは96.6%が「似合うが見つかった」と回答している。

創業25年目を迎えた2022年5月に、同社は経営戦略「MORE FASHION × FASHION TECH」に、「ワクワクできる『似合う』を届ける」を追加。「似合う」の解明が顧客ニーズを満たし、ビジネス成長につながると考えた。商品を単体で販売するだけでなく、「コト提案」が今後必要になると考えており、そのために顧客が商品を購入する前の時点でのタッチポイントを作る狙いだ。意識調査の結果、自分自身の「似合う」が分からないという悩みを抱える人が多いことが判明し、「似合う」の原理を解明するためのラボを立ち上げるに至った。

体験者へのヒアリングなどから分析した結果、「似合う」を構成する4つの要素「ジャンル」「与えたい印象」「体系の悩み」「味付け」を特定したという。「味付け」はファッションの複雑さを星5つで分類したもの。これらの要素を組み合わせることで一人ひとりに合ったファッションを見つける手助けになるとしている。

「niaulab by ZOZO」で判明した、「似合う」を構成する4つの要素

5月9日にリニューアルした「WARE by ZOZO」は、ラボの知見を基に導き出した12種類のファッションジャンルを生かしたサービスを展開。「ファッションジャンル診断」では、ファッションの「好みのジャンル傾向」を144パターンで診断できる。診断結果からユーザーの好みに近いコーディネート検索ができるほか、ジャンルの組み合わせによる絞り込み検索も可能だ。

拡張現実(AR)を活用した「WEARお試しメイク」機能も搭載。自身のフルメイクをARデータとして登録できる。登録されたデータをARで自分の顔に乗せることでメイクを試すことが可能だ。リニューアル時点では、著名なインフルエンサーのフルメイクを含む約500種類を試すことができ、ユーザー投稿を通じてラインナップを追加していく予定だ。

1700万ダウンロードを突破した同アプリの主な利用者層は20~30代で、男女比は3:7。リニューアル後は15~24歳を中心とした、若年層へのアプローチを強める考えだ。

今後もラボでの研究を進め、集めたデータを既存サービスや新規サービスなどにも反映していく。「似合う」の定義も常に変化し続けることから、今後も継続的な解明が必要だとしている。広報担当者は「オンライン上でも一人ひとりに『似合う』スタイリングやヘアメイクをレコメンドするなど、パーソナライズされた提案の精度を高め、よりファッションを楽しめる世界を実現していく」と意気込みを語った。

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注)記事中に記載していた住所に誤りがあったため訂正しました。正確には本文の通り「niaulab by ZOZO」(東京・渋谷)です。




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