高級路線が進む炊飯器市場 タイガー魔法瓶、フラグシップモデルでシェアを狙う

こだわりの土鍋の魅力をアピール

タイガー魔法瓶は6月21日、炊飯器ブランド「ご泡火炊き」シリーズの新ラインナップを発売する。炊飯器のトレンドは高価格と低価格で二極化が進む中、100年以上の歴史を持つ同社は内釜にまでこだわった高級モデルを投入。三重県四日市の伝統工芸品「萬古焼」を使用し、3カ月かけて作った土鍋が最大の特長で、ブランドムービーなどを活用してこだわりをアピールする。高価格帯炊飯器は購入までの検討期間が長いため、動画、CM、実演など幅広い判断材料を展開することが重要だとしている。今年はフラグシップモデルの強化やラインナップ増強、プロモーション強化によるブランド確立を図る。

写真 人物 個人 岡本正範
「メーカー同士の競争でより良いご飯をお客様に提供したい」と話す岡本氏

2024年度の新商品は、フラグシップの「土鍋ご泡火炊き」(JRX-G100/G060)。2006年から採用している内釜の土鍋を進化。同社初の試みとして土鍋底面に火山灰を原料とした「シラスバルーン」を練りこむことで蓄熱性を向上させた。遠赤効果をさらに高めるため、表面には鉄やコバルトなどを含む新開発の釉薬(ゆうやく)を使用。「JRX-G060」は3.5合炊きで想定売価は税込14万3000円。「JRX-G100」は5.5合炊きで、想定売価は同14万8500円。最上位モデルと同じ釉薬を使用した準プレミアムモデル「JPL-T100」(同11万8800円)も用意した。

単身者などのニーズに対応するため、コンパクトサイズの「圧力ジャー炊飯器ご泡火炊き」(JRI-A100/A180)も発売する。「ソレノイド式多段階圧力構造」を新たなに採用。従来はサイズの異なる2つのボールを使って2種類の圧力を制御していたが、新構造では内ぶたの穴を抑える力でより細かい多段階の圧力コントロールが可能。さらに弾力性のある米粒を実現できるようになった。圧力機構を変更したことで手入れが必要な点数が3点から2点に減少したほか、内ぶたがボールレスになったことでより手軽な手入れが可能になった。「JRI-A100」は5.5合炊きで想定売価は税込7万9800円。「JRI-A180」は1.0升炊きで同8万4800万円。

写真 商品・製品 タイガー「土鍋ご泡火炊き」
「土鍋ご泡火炊き」最上位モデルと並ぶ岡本氏

炊飯器市場は販売台数が減少傾向にある。日本電機工業会によると、2014年度から2020年度までは500万台前後で推移していたが、2021年度以降は新型コロナの給付金や巣ごもり特需の反動で500万台を割る出荷実績が続いている。一方で、高単価商品の需要が高まっており、平均単価は上昇傾向。2023年度の平均単価はインバウンド特需があった2015年度を上回る2万2161円となった。高価格帯と普及価格帯で二極化傾向が進んでおり、2023年度の構成比は5万円以上の機種が34%、3万円未満が29%という結果だった。

世帯数や世帯人数の減少で、購入する炊飯器のサイズ傾向にも変化が見られる。小容量の需要が高まっており、2014年度には20%だった1リットル未満の構成比は、2023年度には28%になった。

同社は販売台数のシェアが好調に推移しており、2024年3月度単月で「№1」を獲得したという。市場の傾向もあり、特に高価格帯の「ご泡火炊きシリーズ」が好調で、販売金額では昨年比(従前機種との比較)で131%となった。小容量帯も人気で0.9リットル以下の機種は同121%。ご泡火炊きのエントリー機種「JPI-X型」も売れ、シリーズの販売金額は同142%だった。

2024年度もフラグシップモデルの強化などを推進する方針で、ソリューショングループ統括マネージャーの岡本正範氏は「コメ離れを食い止め、業界を盛り上げていきたい」と意気込みを語る。競合他社も高付加価値路線を推進する中、炊飯器は特に「ブランド力」が重要としており、昨年創立100周年を迎えた同社が築いた信頼性が大きな力になるとみている。一流料亭のような味わいを引き出す土鍋も強みとしており、開発ストーリーの紹介動画をYouTubeで公開するなど、こだわりをPRする施策も実施している。

コロナ禍では親元を離れる大学生が少なくなったことで、単身者向けモデルの需要が減少したが、現在は回復基調にあるという。普及価格帯でもおいしさと使いやすさを訴求して盛り上げる考え。コロナ禍では自粛せざるを得なかった実演イベントの実施も検討したいという。

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