ウソがないから、愛される―『広告コピーってこう書くんだ!読本〈増補新版〉』によせて(藤曲旦子)

人はウソには共感しない。この本を読んで、自分に大きく変化があったと思うのは「ウソをつくのをやめた」ことだ。伝える相手にはもちろん、考えているときの自分の気持ちにもウソをつかない。これだけでコピーも企画も変わると私は思う。

広告コピーってこう書くんだ!読本〈増補新版〉

広告コピーってこう書くんだ!読本〈増補新版〉』4月11日発売/谷山雅計著/定価:2,200円

 

本の中で谷山さんは「本当に自分がそう感じるのか、本当に世の中の人たちがそう思っているのかを、ちゃんと検証する目をもつべき」と語る。ウソをつくのは簡単で、その場しのぎで問題を解決した気になる。でもそのウソは世の中の人には通用しないことが多い。たとえばこんな出来ごとがあった。CMの編集において、最初に見たとき少し違和感を覚えた。頭の中で考えると理屈は合っている。だから大丈夫なのだと意見しなかった。でも実際に放映されるとSNSでは、その部分を指摘する声がちらほらあがっていた。編集時、私は自分の気持ちに気づかないふりをしてウソをついた。当たり前にCMを見てわざわざ理屈やそういう戦略なのか、と考える人はいない。

他にもWebサイトをつくるとき、動線がやや複雑に感じたが、きっとたどり着いてくれるだろう。と思ってリリースしたものは、たいていの場合たどり着いてもらえない。ウソをつかないと同時に「受け手に期待してはいけない」。これも谷山さんの本から学んだことだ。それから私は、どんな小さなことでも思ったことは意見するようにしている。

コピーを書くときは、一番根っこにあるものがなにかをまず考える。根っこにあるものには、ウソがないからだ。広告だから、誇張したり面白おかしく伝えるのも大事だと思うが、あくまで伝え方を工夫するのであって、芯の部分にウソがあってはいけない。一度手に取ってもらうだけならまだしも、長く企業やブランド商品を愛してもらうためには、ウソで誤魔化してはいけないと私は思う。そう考えると『広告コピーってこう書くんだ!読本』がたくさんのコピーライター、そして企画者に長きにわたり愛され、何度も手に取りたくなるのは、一切ウソが書かれていないからだ。

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藤曲旦子(ふじまがり・あさこ)
ドリル コピーライター

主な仕事に、大塚製薬ポカリスエット「汗が私をつれていく。」、マンツーマン専門英会話 Gaba「未来の私は、がんばった私で出来ている。」、マクドナルド ビッグマック ジュニア「ウチらの中で最強ってことはさ、それもう世界レベルでビッグってことじゃね? #ビッグ対談 」、小学館ずかんミュージアム「そのときめきは、キミの知識になる。」、KANEBO Global「素肌に化ける」など。コピーからCM・PR・デジタル施策まで一貫したコミュニケーション作りが好きです。

コピーライティングのベストセラー教本、待望の増補新版

『広告コピーってこう書くんだ!読本〈増補新版〉』
谷山雅計著/定価2,200円(税込)

2007年に発売された広告コピーのロングセラー書籍『広告コピーってこう書くんだ!読本』が、増補新版になって新登場。デジタルやSNS時代のコピーのあり方についても言及した、約2万5000字の新テキストを収録しました。「人に伝わる」「伝える」広告コピーを書くためのプロのエッセンスを学べる一冊。

 




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