これ以上ないほど「男らしさ」のイメージを前面に押し出しながら、女性にも支持を広げているのがノーベル製菓の「男梅」だ。2027年に20周年を迎えるのを前に、同社はブランドコミュニケーションを刷新。独自の世界観をより幅広い層に広げる戦略を掲げ、6月16日からは「新章開幕」をうたう新CM「梅干しの、その先へ。」篇の放映を開始した。
男性向けの強い世界観は、なぜ性別を超えて支持を広げたのか。新章開幕の狙いと、20周年を見据えたブランド戦略について、同社開発部 広告宣伝グループの佐藤健太氏に取材した。
新CM「梅干しの、その先へ。」篇
キャンデーの既成概念を覆した「男梅」
「男梅」は、梅干し本来の塩味と旨味を追求した「秘伝男梅パウダー」による、濃厚な梅干し味が特徴のシリーズ。「男梅蔵」という象徴的なキャラクターとともに独自の世界観を築き、現在はキャンデー、グミ、ソフトキャンデー、シートなどを展開している。
シリーズの起点は、2007年に発売された「男梅キャンデー」だ。前身となる梅キャンデーの試作品が製造工場で働く男性に好評だったことや、当時の“男ブーム”を背景に、濃厚な塩味と旨味を打ち出す商品として誕生した。
開発当時は「キャンデーは女性が買うもの」という認識があった一方、コンビニなどの販売動向を精査すると、実際には男性の購買数も多かった。そこで、男性向けにこだわってつくった商品であることを前面に出すため、「男梅」という名称と、黒と銀を基調としたパッケージを採用した。
社内では「女性が買いにくくなるのでは」という意見もあったが、同社は男性向けの商品が女性にも購入されていることをデータから把握していたという。佐藤氏は「開発当時、梅干しらしいしょっぱさや濃厚な味わいを持つキャンデーとして試作を進める中で、特に男性のお客様にも響く商品として可能性を感じたことが、ブランド開発のきっかけの1つ」と説明する。
「男梅らしさ」を醸成する世界観
キャンデーやグミなどをラインナップしている「男梅」シリーズ
当時の市場環境やトレンドを踏まえ、男性に向けた力強い世界観を表現するために、「男梅」という名称や黒・銀基調のパッケージを採用した。プロダクト設計上、男性を意識した商品であった一方、「男梅」本来の価値は性別ではなく、梅干しらしい圧倒的なしょっぱさと旨味にあると同社は見る。

