サイト移行の9割を自動化 3カ月弱でリニューアルを実現
デジタルマーケティングに特化したコンサルティングファームとして創業20周年を迎えたアンダーワークス。代表取締役の田島学氏、シニアマネージャーの西脇彩夏氏と保利有希氏は、2026年5月の自社サイトリニューアル事例を基に、AI時代におけるWebサイトのあり方を構造面から紐解いた。
保利氏は冒頭、Cloudflare社のデータを引用し、Webトラフィックの57.5%がボットで占められている現状を提示した。インターネットの向こう側の顧客は人間だけでなく、AIやボットが半数を超えている。
田島氏はこれを「顧客のAI化」と呼び、米国におけるAIを用いた自動トレーディングや対話型注文の事例を紹介した。面倒な検索や比較はAIが自律的に行い、人間は最終確認のみをする購買行動が今後主流になると予測。これからのWebサイトは「人間が操作していない可能性」を前提に、設計を見直す必要があるという。
この課題に対し同社が選択したのが、ヘッドレスCMS「Sanity」の導入とAIの融合だ。ヘッドレスCMSとは、従来のCMSのようにWeb画面の見た目(デザイン)を制御する機能を持たず、コンテンツの保管・管理に特化した「コンテンツデータベース」のようなシステムを指す。
西脇氏は、従来型CMSについて「人間が操作する前提のためHTMLの塊としてコンテンツを保持しており、AIが意味を読み取りづらい構造だ」と指摘。一方、ヘッドレスCMSでコンテンツを「意味の単位」で構造化すれば、人間向けのUI描画とAIにとっての可読性を両立できる。同社は柔軟な管理画面を活かし、自然言語でAIに指示を出すだけでコンテンツが構築・公開される自動化環境を整えた。
これにより、移行工程の9割が自動化され、実質3カ月弱でのリニューアルを実現。また、システムの裏側がAIフレンドリーになったことで、AIに「次に必要なコンテンツの点数付けとレポート出力」を指示すれば、今後のコンテンツ計画と追加リストが約30分で自動生成されるという。
これからのWebサイトは“構造化データベース基盤”へ
保利氏と西脇氏は、Webサイトを単なる情報配信先ではなく、移行や変化に強い汎用的な資産として捉える重要性を強調。既存システムへのAI後付けではなく、初めからAIありきで基盤そのものを刷新するアプローチの合理性を説いた。
田島氏は「将来的にWebの需要が減りデータベース中心の世界になる可能性がある。ヘッドレスCMSは、“構造化データベース基盤”として位置づけられていくのではないだろうか」と展望を語った。
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