米州6000億円の勝負手は “大谷翔平” 社名変更控える日立建機、「LANDCROS」浸透で2030年業界トップ3狙う

日立建機は8月4日、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手を、新たなコーポレートブランド「LANDCROS(ランドクロス)」のグローバル・ブランドアンバサダーに起用したと発表した。同社がスポーツ選手個人とブランドアンバサダー契約を結ぶのは初めて。

同社は2027年4月1日付で社名を「ランドクロス株式会社」に変更し、創業以来使用してきた日立ブランドからLANDCROSへ移行する予定。大谷選手の発信力を生かして新ブランドを国内外に浸透させるとともに、世界約2万5000人の従業員の一体感醸成や、採用面での効果も期待する。

同社は2030年までにグローバルで業界トップスリー入りを目指し、北米、中南米、マイニング(採掘)、部品・サービスの4事業を重点領域に据える。2031年3月期の売上目標は、北米と中南米を合わせた米州で6000億円とし、2026年3月期実績の2297億円から約2.6倍に拡大する計画。このうち中南米事業は384億円から1500億円を目指す。マイニング事業は4240億円から7000億円、部品・サービス事業は3222億円から5000億円へ伸ばす方針だ。

写真 会見の様子

日立建機の先崎正文・執行役社長兼COO

社名変更前に発信強化

日立建機は、油圧ショベルやホイールローダ、道路機械、鉱山機械などを開発、製造、販売する建設機械メーカー。世界に約2万5000人の従業員を擁し、2026年3月期の連結売上収益は1兆4055億円、海外売上収益比率は84%に上る。

今回の社名変更の背景には、日立グループからの独立がある。日立建機は2022年8月、日立製作所による保有株式の一部売却に伴い、同社の連結子会社から持分法適用会社へ移行した。さらに2025年11月の追加売却で、日立製作所の議決権所有割合は25.4%から18.4%に低下し、持分法適用会社でもなくなった。

日立製作所は現在も日立建機の株式を保有しており、デジタル技術や自律運転技術、電動化、部品供給などで協力関係を続ける。一方、日立建機は資本関係の変化を受け、日立ブランドから自社独自のブランドへ移行する。2027年4月の商号変更は、日立グループからの独立をブランド面でも明確にするとともに、建設機械メーカーからソリューションプロバイダーへの進化を加速する節目となる。

新たなコーポレートブランドのLANDCROSは、豊かな大地を意味する「LAND」と、同社が重視する「Customer」「Reliable」「Open」「Solutions」を組み合わせた名称。オープンなパートナーシップを通じて顧客や社会からの要請に迅速かつ柔軟に対応し、新たな価値を共創する企業像を表している。

2027年4月の社名変更に向け、日立建機の先崎正文執行役社長兼COOは、現在を「LANDCROSが目指す姿をグローバルに発信していく重要な時期」と位置付けた。

同社はこれまでもスポーツチームやアスリートを支援してきたが、個人のスポーツ選手をグローバル・ブランドアンバサダーに起用するのは初。広告やプロモーションなどを通じて新ブランドの認知を高めるとともに、「2030年に業界トップスリーに入る」という目標への挑戦を発信する考えだ。

米州での「第2の創業」と大谷選手の挑戦が重なる

 

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