「最近Jリーグの広告多すぎない?」と思ったあなたへ──認知率十数%の危機から3000万人に届ける史上最大プロモーションの全貌

この夏、あなたは「Jリーグ 8・7開幕」の文字を目にしただろうか。メッセージの異なる5本のテレビ、ポケモンやTravis Japanなどとのコラボ、22万人の無料招待、地上波中継――。Jリーグは、20を超える施策を6月以降に相次いで展開した。

サッカーJリーグの新シーズンが8月7日に開幕する。大規模なキャンペーンの背景にあるのは、今季から開幕時期を従来の2月から8月へ移す、大きな「シーズン移行」だ。新たな開幕日となる7日に向け、予算は例年の開幕期の数倍に達した。Jリーグ執行役員兼マーケティング事業本部長の鈴木章吾氏は、一連の施策を「Jリーグ史上最大規模」と話す。

8月7日の朝日新聞広告。J1、20クラブの戦力分析記事の対向ページに掲載された

8月7日の朝日新聞広告。J1、20クラブの戦力分析記事の対向ページに掲載された

全体の設計やコントロールは一社の広告会社に任せず、Jリーグが施策ごとに制作会社や広告会社を使い分けて統括した。その狙いを表すキーワードが「8→7→3」である。Jリーグは生活者を観戦経験・頻度と観戦意向で9つに分類。Jリーグを知っているが未観戦で関心も低い「8」を、IPコラボやCMによって未観戦・高関心の「7」へ動かし、無料招待や国立競技場での試合を通じて、観戦経験のあるライト層「3」へ引き上げる。

新しい開幕日の認知と、過去最高の開幕集客を同時に実現するため、CM、IP、OOH、招待施策をどう組み合わせたのか。20を超える施策を束ねた設計をひもとく。

「8月開幕」を知る人は十数パーセント

最大の共通課題は、「8月7日開幕」を知らせることだ。

以前は、Jリーグの開幕時期の認知率は全国で約40%だった。しかし、従来の2月開幕から8月開幕へ移るまでの移行期間をつなぐ「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」が開幕した2026年2月の調査では、新しい8月開幕の認知率は十数パーセントにとどまった。

シーズンの始まりと終わりが認知されなければ、開幕の高揚感や、終盤の優勝・残留争いなどに合わせた施策も響きにくい。鈴木氏は「その試合がカレンダー上のどこにあり、なぜ重要なのかが分からないと、プロモーションを打っても数ある試合の一つになってしまう。2回、3回と観戦してもらうには、シーズンの始まりと終わりを意識してもらうことが重要」と話す。

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