ラジオ番組や放送局のグッズには高い需要がある一方、在庫リスクや商品企画、販売運用の負担が展開のハードルとなっている。radiko(ラジコ)が8月31日に開始した「radiko EC mall」は、こうした課題に対応し、1件の注文から製造できる受注生産を基本とする新サービスだ。
ユーザーはradikoアプリ内の対象番組ページなどからストアにアクセスし、LINEミニアプリ上で商品を購入できる。番組を「聴く」体験のすぐそばに商品との接点を設け、リスナーの熱量を放送局の収益機会につなげる狙いで、第一弾としてKBS京都、J-WAVE、TBSラジオの3局がストアを開設。現在も複数の放送局や番組と具体的な協議を進めている。
商品コンセプトやラインナップを放送局・番組側と検討し、制作パートナーと連携して企画・デザイン・製造を進める。さらに、商品掲載や注文受付、決済、商品発注、検品、梱包・発送、問い合わせ対応まで、物販に必要な一連の業務を支援する。
収益機会を増やす「オーディオコミュニティモール構想」
radikoユーザーの1日当たりの平均利用時間は、2026年1月時点で約150分に上る。調査対象や集計方法が異なるため単純比較はできないが、博報堂の「メディア定点調査2025」におけるテレビの平均接触時間(約122分)を上回る水準で、ユーザーの接触時間の長さが際立つ。
番組の根強いファンも多く、グッズ展開のニーズも高い。一方、同社が実施したリスナーインタビューでは、「好きな番組をもっと応援したいが、その手段がない」という声が多く寄せられたという。
放送局からは、グッズの需要はあるが、商品企画や制作、在庫、EC運用の負荷がハードルになっているという声があった。
そこで、番組を「聴く」体験から「買う・応援する」という行動までをつなぐ仕組みとして、同サービスを立ち上げた。
同社プラットフォーム推進室プロダクト推進チームリーダーの帆苅晃太氏は、このサービスを「オーディオコミュニティモール構想」を具体化する最初の取り組みと位置付ける。リスナーが番組やパーソナリティに抱く熱量や好意を、放送局の新たな収益機会につなげ、その収益をさらに魅力的なコンテンツや体験へ還元していくという構想だ。
「そうした良い循環を、放送局の皆さまと一緒につくっていきたいと考えています」と話した。

