生成AIの全盛期に脚光を浴びた「人間回帰」 「第79回広告電通賞」、受賞作品の多くに見られた共通点

広告電通賞審議会は9月15日、「第79回広告電通賞」の贈賞式を開催した。「総合賞」は大塚製薬が受賞。2016年以来10年ぶり、通算3回目となった。同社は、ポカリスエット「つば裏言葉」で「プリント広告部門」、カロリーメイト「いちばんの味方」篇で「フィルム広告部門」で最高賞を受賞。このほか金賞2つ、銀賞7つが選ばれた。

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大塚製薬の井上眞社長(右)

広告電通賞は1947年に創設。優れた広告コミュニケーションを実践した広告主を顕彰する総合広告賞で、今回は7部門26カテゴリーで選考した。総合賞は、7部門のいずれかで最高賞を受賞し、広告活動全般で優秀な成果を上げた広告主に贈られる。

第79回には、前年を上回る1345作品の応募があった。生成AIなどのデジタル技術が広告制作や生活に浸透する一方、受賞作には人の感情や日常、実際の体験に焦点を当てた作品が目立った。広告電通賞審議会の三村明夫会長は、作品群を象徴する言葉として「人間回帰」を挙げた。

「人を見る」が共通した大塚製薬の受賞作

大塚製薬の井上眞社長は贈賞式で、同社が医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業を展開するうえで、「病気や症状だけを見るのではなく、その先にいる人と向き合うこと」を重視していると説明した。

「フィルム広告部門」はテレビCMやオンライン動画広告が対象。最高賞を受賞したカロリーメイト「いちばんの味方」篇は、受験生と、その子どもを見守る親が、それぞれAIと対話する姿を描いた。AIを受験勉強や励まし方の相談相手として登場させながら、中心に置いたのは受験生の努力と親子の関係だ。

同社ニュートラシューティカルズ事業グループ宣伝部の担当者は、企画の提案を受けた当初、「ついに受験生にもAIの時代が来た」と驚いたという。一方、AIを介すことで、今を頑張る受験生と見守る親の姿が鮮明に浮かび上がると感じ、企画に納得したと振り返った。

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