KDDIは9月1日から「UQ mobile」ブランドの新たなCMシリーズ「UQUEEN（ユークイーン）」を開始した。同日から14日にかけて、新宿駅南口や渋谷駅構内、東京メトロ車内などでも大規模OOHを展開。「UQ」の名称認知を目指していた前シリーズから一歩踏み込み、サービス内容の具体的な訴求を進めることが刷新の目的だ。中世ヨーロッパを思わせる豪奢な宮殿を舞台に、満島ひかりが女王、松田龍平が執事を演じている。

新宿駅南口や渋谷駅構内、東京メトロ車内などで展開しているグラフィック広告。

「その宮殿には、かなり女王様気質の女王様が住んでいる」――執事のナレーションから始まる第一弾テレビCM「登場」篇。UQロゴがデコレーションされたカバーを付けたスマートフォンを手にした女王（満島ひかり）は、宮殿に集まる人々に「これからのスマホはすべて、この私が決める！」と高らかに宣言する。

 
OOHは渋谷の「渋谷憲章ボード」をはじめ、駅構内やハチ公センターシート、旧東横店仮囲い、東口地下広場通路に掲出。新宿では南口壁面シートやフラッグ、フロアシートで展開。東京メトロの車内の中づりジャックも実施した。

渋谷憲章ボードの掲出風景。

渋谷駅（ハチ公オールラッピング）。

渋谷駅東口地下通路。

新宿駅南口（壁面シート）。

新宿駅南口（フロアシート）。

制作は2016年から続いた「UQ三姉妹」シリーズと同じく電通チームによるもの。企画・コピーなどを手がけた電通 zero 鈴木晋太郎氏は、制作の意図について「選択肢が増え、ますます混沌とする通信キャリア業界を牽引する女王の誕生。こだわったのは圧倒的な画づくり。美術、衣装、映像トーンによって重厚な世界観をつくり上げることで、ギャップのある会話の面白みや、UQUEENに不思議な説得力を持たせることを狙いました」と説明する。

前シリーズと同じく、美しいビジュアルを軸にしつつCMではシュールな世界観を取り入れている。主役を「女王」としたのは、業界を先導する動的なブランドイメージを感じてもらうためだ。

アートディレクションを担当した電通 第3CRP局の松下仁美氏によると、「何か新しい映画が始まるような、その映画のティザーが世の中に華やかに出ていくワクワク感を大事にした」という。「映画のワンシーンのような1コマに、どう商品やサービスが入って、世界観を壊さずに訴求できるか。そのためにも、圧倒的な美術や衣装に、本物感が出るように注力しました」。

OOHやYouTubeのバンパー広告、SNS向けコンテンツなども共通のクリエイティブで一斉に掲出した。注目は「日清ラ王」「那須どうぶつ王国」「跡部景吾（テニスの王子様）」など、“王”関連の名称を含む13ブランドとの「#王族系企業コラボ」。各ブランドからUQUEEN宛に届いたお祝いを渋谷の「au Style SHIBUYA MODI」に飾り、Twitter上で話題化していった。これらの施策は電通 第3CRP局 長島龍大氏が担当した。

「#UQUEEN #王族系企業コラボ」から。お祝いは渋谷の「au Style SHIBUYA MODI」に展示。

「女王の誕生を、お祝いごととして少しでも盛り上げたいと思い、日本で最もメジャーな“王族系”な皆様にお声かけしました。企業の皆様及び跡部様の寛大なお心遣いに感謝するとともに、今回生まれた王族系の絆を、より強固にしていきたいと思っています」と長島氏は話している。

なお「#王族系企業コラボ」に参加した13ブランドは以下のとおり。跡部景吾（テニスの王子様）、おふろの王様（東京建物リゾート）、花王 アタック、カレーの王子さま（エスビー食品）、キングジム、クイーンズ伊勢丹、珈琲貴族エジンバラ、那須どうぶつ王国、日清ラ王、BURGER KING、バイク王、プリンスホテル、モナ王（ロッテ）。