JALグループは7月21日、訪日客を東京などの主要都市に集中させず、海外から地方へ直接呼び込むことで、地域での宿泊や観光消費につなげる「地方ダイレクトイン」の取り組みを強化すると発表した。地方への送客を増やし、地域経済の活性化や一部観光地の混雑緩和につなげる狙いがある。
第一弾として台北路線を拡充し、関西―台北(桃園)線を約2年ぶりに、9月から10月の一部日程で季節運航する。グループの日本トランスオーシャン航空(JTA)が運航する那覇―台北(桃園)線についても、2026年冬ダイヤで運航を継続する。
同社は「好調な台北路線を強化する」と説明。9~10月は日本のシルバーウィークや台湾の中秋節などに伴う連休が相次ぎ、訪日客と日本から台湾へ向かう旅行者の双方で需要が見込めるとしている。
関西―台北(桃園)線は、大阪府内の関西国際空港と、台湾北西部の桃園市にある台湾桃園国際空港を結ぶ国際線。関西国際空港は関西圏の空の玄関口で、台湾から東京を経由せず関西へ直接到着できる。JALは同路線を約2年ぶりに一部日程で運航し、訪日需要を関西エリアへ直接呼び込むとしている。
JALの担当者はAdverTimes.の取材に対し、アジア圏全体で往来需要が高まる中、9~10月の需要動向に加え、機材や乗員、空港側の運航条件などを総合的に検討したと説明。その結果、関西―台北線で一定期間にわたり便を設定できる環境が整ったことから、同路線での季節運航を決めたという。2026年2月にはJTAが那覇―台北線に就航しており、既存の台北路線を生かせる点も背景にある。
政府は2016年3月、訪日外国人旅行者数を2020年に4000万人、2030年に6000万人、旅行消費額をそれぞれ8兆円、15兆円とする目標を掲げた。今年3月に閣議決定した第5次観光立国推進基本計画でも、2030年の到達目標を据え置いた。同時に、地方誘客を通じたオーバーツーリズム対策を強化し、地方部への訪問意欲が高いリピーターや、地方部における外国人延べ宿泊者数について新たな目標を設定した。
JALは政府目標の達成を後押しするとともに、首都圏や一部地域への旅行者の集中を課題として挙げる。旅行者のニーズが「モノ消費」から「コト消費」へ移り、地方の自然や伝統文化、食文化への関心が高まる一方、二次交通や情報発信の課題によって、魅力を十分に伝えられていない地域も多いとしている。
2026年2月3日に就航したJTAの那覇―台北(桃園)線についても、2026年冬ダイヤの運航を継続する。運航期間は10月25日から2027年3月27日まで。台北と那覇の観光・経済交流を促すほか、那覇から周辺の離島や日本各地への周遊につなげる考えだ。

