「エージェンティックコマース」が変える消費行動と広告取引の未来

消費者行動の多様化に伴い、デジタル広告は急激な変化を遂げている。InMobi Japanの泉亮介氏は、本セッションにおいて「コンテンツ」「コマース」「AIキュレーション」の融合を指摘。さらに、今後のマーケティング環境を一変させる「3つの地殻変動」を主軸に、ブランドが取るべき次世代の戦略を提示した。

ユーザーを深く学習して提案から購入までを先回り

現代の消費者は、情報の洪水と選択肢の多さから買い物を「面倒」と感じ始めている。実際の購入動機は検索からレコメンデーション経由へとシフト。大手通販サイトでの購入の3件に1件、動画配信サービスでの作品視聴の80%以上がレコメンデーション経由といったデータもある。

この課題に対しInMobi Japanの泉亮介氏は、グループ会社のGlance社と推進する、AI主導の「エージェンティックコマース」の全貌を解説した。

これは単なる広告配信にとどまらず、顧客データ、配信メディア、広告表現のすべてを裏側にある「ひとつの高度なAIシステム」で一元的に統合する試みである。ユーザーのセルフィーや会話、位置情報、好みのブランドをAIが深く学習して「デジタルツイン」をつくり出し、最適な提案から購入までを自律的に先回りしてサポートするというものだ。

泉氏は、こうした昨今の激変する市場において、ブランドが捉えるべき「3つの地殻変動」を提示した。

求められるのは「ユーザー起点」プラットフォーム

ひとつ目の変化は「消費者の行動変化」だ。かつて主流だった検索主導の「サーチエコノミー」から、SNS等で偶然商品に出会う「ディスカバリーエコノミー」を経て、AIの提案に委ねる購買行動へと移行しつつある。同社のAIエージェント「Glance」は、ユーザーのモバイルのロック画面やテレビ画面などを新たなショッピングの接点に変え、シームレスな購買体験を提供する。米国での先行事例では、時計ブランド・フォッシル社がGlance CTVのネイティブ広告を活用し、広告非接触ユーザー比で広告想起率57%向上、ブランド認知10%向上という顕著な成果を収めているという。

2つ目の変化は、「プログラマティック広告の変化」だ。従来の単純な広告枠のオークション取引から、ユーザーのリアルタイムなコンテクストを基準にしたAI主導の取引へと進化を遂げる。InMobiは2026年6月、広告の脱炭素化を牽引するサステナビリティ企業である米Scope3社と提携し、InMobiのエージェンティック広告取引所「Interchange」と連携した。InMobiとGlanceが持つ20億インプレッション以上の広告在庫に対し、企業が自らのAIエージェントを使って直接買い付けできる基盤を整備。「ブランドの皆さんが直接、AIエージェントを通じてメディアバイイングができる時代が2年以内に訪れる」と泉氏は強調する。

3つ目の変化は、「複数画面をまたぐ体験の加速」である。スマホからテレビ、オンラインストアにいたるまで、断片化されていたカスタマージャーニーがAIによって統合され、広告事業者には総合的なマーケティング能力が求められる。

泉氏は「今後はメディア起点ではなく、ユーザー起点の広告戦略と実行が行えるプラットフォームの重要性がますます高まる」と、ブランドが向かうべき未来への示唆を語った。

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泉 亮介氏

InMobi Japan
Head of Client Business,
North Asia, InMobi

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InMobi Japan株式会社

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E-Mail:mobilemarketing@inmobi.com

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