カプコン、セガの多角化とサンリオ、集英社ゲームズの本格参入——TGS2026から見るゲームの枠を超えたIPビジネス最前線

世界最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ2026」(TGS2026)が9月17日、千葉・幕張メッセで開幕した。30周年の節目を迎えた今回は、会期を過去最長の5日間に拡大し、国内外から1138社(9月10日時点)が出展。ゲームの祭典という枠を超え、マンガ、キャラクター、映画といった多様なIP(知的財産)ホルダーが交錯する「総合格闘技」の様相を呈している。ゲームを起点としたIPの多角化と、異業種からのゲーム市場参入という二つの大きな潮流が、今年のTGSを象徴している。

ゲームの枠を超えるIP展開、映画化で熱気を高めるカプコン

ゲームIPを他メディアへ展開する動きを象徴するのが、大手ゲームパブリッシャーであるカプコンの取り組みである。同社は会期初日である9月17日にスペシャルイベントを開催し、10月16日に全世界同時公開を控える新作実写映画「ストリートファイター/ザ・ムービー」の最新情報を解禁した。

イベントには、原作ゲームでリュウ役を務める高橋広樹氏、ケン役の岸祐二氏、春麗役の折笠富美子氏に加え、「ストリートファイター6」のゲームディレクターであり、本映画の製作も務めるカプコンの中山貴之氏が登壇。待望の日本語版本予告を公開したほか、武虎氏(豪鬼役)や楠大典氏(ベガ役)など、ゲーム版から続投となる豪華声優陣を発表した。さらに、入場者特典として映画限定のキャラクターシールが配布されることや、劇場オリジナルグッズの販売も告知され、会場のファンを大いに沸かせた。

全世界でシリーズ累計販売本数6000万本(2026年6月30日時点)を突破した対戦格闘ゲームの金字塔が、ゲームイベントという熱量の高い場で映画のプロモーションを展開する。IPの価値をメディアの垣根を越えて最大化しようとする現代のエンターテインメント業界の姿を色濃く反映している。

セガが推進する「トランスメディア戦略」とは

カプコンと同様に、ゲームIPの多角化を強力に推進しているのがセガである。同社は自社のIP戦略を「トランスメディア戦略」と位置付け、ゲームを起点として映画、アニメ、グッズ、リアル店舗など、事業領域を横断的に展開する取り組みを加速させている。

次のページ
1 2 3
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事