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フィリップ・コトラー教授、10年ぶりに来日

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日本マーケティング協会、日本マーケティング学会、ネスレ日本は共同で6月17日「コトラー・カンファレンス2013」を開催した。世界的なマーケティングの大家であるフィリップ・コトラー教授(ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院)の来日は10年ぶり。今回の来日は、日本マーケティング協会の創立55 周年、日本マーケティング学会の設立、ネスレ日本の創立100周年を記念した事業の一環として実現した。

5時間にわたるカンファレンスは、コトラー教授の基調講演他、慶應義塾大学の嶋口充輝名誉教授がモデレーターを務め、ネスレ日本の高岡浩三代表取締役社長兼CEO、ユニ・チャームの高原豪久代表取締役社長執行役員、流通科学大学の石井淳蔵学長が登壇したパネルディスカッション「持続的経済成長を実現するマーケティング経営:成熟市場下で企業がとるべき道」、IMDのドミニク・テュルパン学長がモデレーターを務め、コトラー教授、高岡社長兼CEOに加え、ローソン・新浪剛史代表取締役CEOが登壇したパネルディスカッション「イノベーションが日本を成長させる」の3部で構成。以下、各セッションの概要をレポートする。

日本がとるべき8つの方法

コトラー教授は「マーケティング指南:日本がとるべき8つの方法」と題する講演を行った。概要は以下の通り。

「コトラー教授が考える成長に必要なこととは?」

  • イノベーションを起こす。多くの企業がプロダクトのイノベーションばかり考えるが、視野を広げて事業モデルのイノベーションを起こせないかを考える。
  • 新しいアイデアを得るにはカスタマーに寄り添うべき。カスタマーの声を基に考え、カスタマーと共にアイデアをつくる。
  • 従来型のマスマーケティングから脱却し、ソーシャルメディアに使ったコミュニケーションにシフトすべき。人々の行動を見れば、多くの時間をスマートフォンやタブレット、PCなどテレビ以外のディスプレイを見ることに費やしていることがわかる。彼らがいる場所がどこかを理解した上で、コミュニケーションの方法を考えるべき。
     また、オンライン上での行動はデータとして蓄積できる。消費者をよりよく理解する際にも活用できる。
  • CMO導入を検討すべき(CMOはCEOになれる資質を持った人がよい。コミュニケーションの専門家ではなく、ビジネスの理解できる人)。
  • カスタマーの満足を最優先で考える。
  • ブランドを確立させる。強いブランドに必要なのは、そのブランドが社会においてどんな変化をもたらすのか。人々の生活や幸せにどんな貢献ができるのか、その使命をもっていることが大事。

次ページ「経済成長が鈍化している理由、これまでのマーケティングの失敗とは?」ヘ続く

written by sendenkaigi