新規顧客獲得の定番となりつつある宛名なしDM。どうすれば使いこなせるのか、座談会を実施した。日産自動車販売促進部の小暮亮祐氏や、長谷工アーベストで新築マンションのプロモーションに携わる小林智美氏が挙げた、実務に即した質問に、ダイレクトマーケティングのコミュニケーションに詳しい稲川浩之氏が回答した。

座談会では、販促の現場ならではの鋭い質問が挙がった。
効果的な販促を実現する宛名なしDM

小暮
日産自動車でCRM(顧客関係管理)を担当しています。お客さまとコミュニケーションを続け、車の買い替え時に再び選んでいただけるようにするのが主な目的になります。
CRMと言ってもダイレクトメールに限らず、お客さまとの接点すべてを重要視しています。インターネット広告や新聞広告、チラシ広告も活用していますが、宛名なしDMは、こうしたメディアとどのように違うのでしょうか。
稲川
当社の宛名なしDM「エリアダイアログ」は、「潜在顧客の多く住むエリアに、宛名のないDMをお届けする」メディアです。すでに意欲のある人が欲しい情報を検索していくネットでの情報接触とは異なり、ポストに入っているものですから、ポストを開けた時点で、一旦手に取ってもらえる。その意味で、宛名なしDMは、ターゲットを絞りつつ潜在需要の開拓を図るのに適したメディアだと言えます。
小林
私は長谷工アーベストで新築マンションの販売促進を担当しています。いま新築マンションは、中~小規模化が進んでいます。60~100戸となると、いかに早く、多くの方にモデルルームに来ていただくかがカギで、費用対効果を重視しています。
「適切なターゲットが住むエリアを絞り込める」ということですが、どの程度まで細かく指定できるのですか。