小池政秀の「ターゲティングの進化」(第4回)

ターゲティング進化の課題

小池政秀(サイバーエージェント)

ターゲティングの進化が加速することで、「誰に広告配信するか?」を、より追求できる技術が実現されてきた。①既に登録されているユーザー情報をもとに配信するデモグラターゲティング②WEB内の行動をもとにユーザーを指定して配信する行動ターゲティング③外部含むサイト内でとった行動や、外部含むサイト等で登録したデータをもとにユーザーを指定して配信するオーディエンスターゲティング、この3つが大枠の手法となるが、「誰に?」を追求しすぎると、米国で進行しているような、様々な個人情報のやり取りにまで発展しかねない。

国内では個人情報保護法などの障壁から実現性は薄いが、クレジットカード情報やその他商品売買履歴、不動産所有情報など、極めてプライベートな情報にまで触手が伸ばされることになると、ターゲティング精度は上がる半面、社会性としては好まれないサービスに転落してしまう。その場合、ターゲティング精度だけが重要な要素となり、広告が配信される場としての価値が低くなることで、質の高いコンテンツを配信するパブリッシャーにとっては、本質的に望ましくない状況となる可能性もある。そうなると、魅力的なコンテンツが減り、結果ユーザーも減る悪循環を自らつくり出しかねない。危惧される状況に対し、広告を配信する場の価値とターゲティング、この二つの掛け合わせに精度向上を求めていく動きに、その課題解決の糸口を見つけていきたい。

広告主にとっても消費者にとっても、ターゲティング技術の可能性を追求していくことは、大きなテーマであることに間違いないので、ターゲティング技術のみを過信することなく、従来のマスメディア含めた企画開発で培ってきた広告ノウハウをより高めることで、ぜひ実現したい。そのために、今まで以上に市場全体での協力した動きが必要になると思うが、積極的に関与し理想的な市場拡大の実現に貢献していきたい。

(こいけ・まさひで)
サイバーエージェントAmeba事業本部ビジネスディベロップメントディビジョン統括。2002年よりAmebaを含む自社運営メディアの広告販売部門を統括し現職に至る。合わせて、4月に発表されたサイバーエージェントとDeNAの合弁会社の代表取締役社長に就任。


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