コラム

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小池政秀の「ターゲティングの進化」(第3回)

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ターゲティング市場の拡大

小池政秀(サイバーエージェント)

昨年4月に渡米し、広告テクノロジー系各社を訪問した際の衝撃はとても大きいものだった。広告プロダクトの開発も担当する立場から、それまでも海外の広告テクノロジーに関する情報は十分把握していたつもりだったが、あくまでも”つもり”だったことに気付かされた。

プレイヤーの種類、マーケット規模、テクノロジーレベル、どれをとっても圧倒的だった。DSPやSSP、ADexchange(※)等々、意味こそ知っていて、国内にもプレイヤーが増えていると認識していたものの、役割や存在意義、市場スキームなど、「まだそこまで理解しなくても大丈夫」という対象であったのが一気に危機感へと変わった。

個人情報の取り扱いや、必要なプレイヤーの数、大手メディアの市場への参加など、課題は多いものの、国内市場がその方向に一気に舵をきっていくのは間違いないだろう。

またPCに留まらず、他のデバイスにおいても独自の進化が始まっている。今年2月に改めて渡米し、スマートフォン市場把握とパートナー探しを目的に、1週間で15社ほどの企業を訪問し実感したのは、スマートフォンにおいては、PC同様の枠組みが形成されながらも、独自のターゲティング技術や広告配信技術が発展し、市場に浸透してきているということだ。

ターゲティング技術では、PCで先行するオーディエンスターゲティングに加えて、GPSや接続環境ターゲティング、OSやデジタルコンテンツ課金セグメントなど、スマートフォンのデバイスを活かした展開が加速している。

さらに、タブレット端末向けの広告展開も拡大しており(前提として米国内での浸透度の高さもあるが)、その広告市場が一気に拡大しているのも印象深かった。画面サイズの大きさに加えて、その表現力、展開技術など、広告主から高い評価を得て高い単価が実現されていたのは、国内メディアにとっても明るいニュースであろう。


※DSP(デマンド・サイド・プラットフォーム):広告主の効果を最大化させるもの。複数のアド・エクスチェンジなどを一元管理し、最適入札や予算などを管理できる。
 SSP(サプライ・サイド・プラットフォーム):媒体社側の収益を最大化させるもの。媒体社側が広告在庫をより高い価値になるよう一元管理する。
 ADexchange(アド・エクスチェンジ):広告枠の取引市場。需要と供給により、媒体やインプレッション毎に単価が異なる。

(こいけ・まさひで)
サイバーエージェントAmeba事業本部ビジネスディベロップメントディビジョン統括。2002年よりAmebaを含む自社運営メディアの広告販売部門を統括し現職に至る。合わせて、4月に発表されたサイバーエージェントとDeNAの合弁会社の代表取締役社長に就任。

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