地球サミット×ソーシャルメディア The Future We Want(2)

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谷崎テトラ 地球サミット2012 Japan副代表/放送作家
鈴木 曜 グレートワークス シニアストラテジックプランナー

※「地球サミット×ソーシャルメディアThe Future We Want(1)」はこちら

若者は、どうしても環境問題や民主主義といった硬いテーマで発言することに対して、消極的になりがちだ。

教育のなかで議論を交わす機会が少ないこと、調和を重んじ、衝突や軋轢を避ける文化などが原因と考えられる。

しかし、議論ができない個人や組織が多い状態は、社会にとって大きなマイナスだ。議論を重ねながら、利害を調整したり、さまざまな知恵やアイデアを出し合い、みんなで検討したりしながら、よりよい社会を築いていくのが民主主義だ。

政治体制として民主主義を掲げていながら、実質的にそれができない日本の現実に、疑問や不満や、憤りを感じている人は少なくないはずだ。

The Future We Want-Japan VOICESは、そんなかたちだけの民主主義に疲弊した社会を変えるきっかけの1つになることも目指している。いわば「直接民主主義のプラットフォーム」だ。

だからこそ、「これまで政治に関心のなかった人も、いつでもどこでも、時間と場所を選ばず、思い立ったらすぐにアクセスできる仕組みづくりを目指して設計した」と鈴木さんは言う。

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“The Future We Want – Japan VOICES”のサイト画面(http://voice.futurewewant.jp/) 地球サミット2012(リオ+20)を前に、世界中で始まった「The Future We Want」のムーブメントに呼応して、日本の声(JapanVOICES)を届けるプロジェクト。ソーシャルサイトを活用して、1人ひとりの市民が目指す未来の姿を描き出し、地球サミット2012に届ける。

政府だけではできなかったことを市民の声をかたちにする「地球サミット3.0」

地球サミット2012Japan代表の佐藤正弘さんは、「1992年のリオ会議以降の20年を振り返ると、地球温暖化、貧困、エネルギー問題など課題は依然として山積している。リオ会議で掲げた環境行動計画『アジェンダ21』が成果をあげられなかったのは、経済成長が優先され消費社会の抜本改革ができなかったため」と指摘する。

リオ会議以降の気候変動枠組み条約締約国会議(COP)では、先進国と途上国の利害対立が先鋭化するなど、国家間の交渉や駆け引きに多大なエネルギーが費やされ、京都議定書のような資金メカニズムもマネーゲームに陥って、実質的な改善効果は限定的だった。こうした問題点を踏まえると、政府主導の地球サミットの限界が浮かび上がる。

谷崎テトラ

地球サミット2012Japanの副代表を務める谷崎テトラさん。構成作家&音楽プロデユーサー。愛知県立芸術大学非常勤講師を務めると同時に、持続可能で平和な世界へのシフトを目指す一般社団法人ワールドシフト・ネットワーク・ジャパンの代表としても活動する。

しかし、ソーシャルメディア時代の今回は、これまでとは違った進化した地球サミットになることが期待されている。誰もがパソコンやスマートフォンを使って、ブログやツイッターやフェイスブック上に自分の思いや意見を表現することができ、ユーチューブに動画を投稿し、ユーストリームから動画を配信してメッセージを伝えることができる時代だ。昨年、チュニジアで始まった「アラブの春」がソーシャルメディア革命とも言われる通り、人と人とのつながりが独裁体制を覆す力をもつことを証明した。

ソーシャルメディア時代の初めての地球サミットであることから、副代表の谷崎テトラさんは、今度の地球サミットを「ウェブ3.0」になぞらえて「地球サミット3.0」と呼ぶ。ネットとリアルがボーダレスになる「ウェブ3.0」のコンセプトを「地球サミット3.0」に置き換えると、ソーシャルメディアのなかに集められた市民の声がリアルになることも現実味を帯びてくる。

3.11震災で原発事故を経験した日本から世界に届けるメッセージ

6月の会議に向けて、いよいよ盛り上がりを見せはじめた地球サミット2012Japanの活動だが、東日本大震災を受けて昨年は、メンバーの多くが被災地の支援などに向かった。そのため、当初の予定通りに進めることができなかった活動もある。震災前、Japan VOICESは昨年5月頃に立ち上がる予定だったものだ。しかし、谷崎さんは、結果として「それがいい結果をもたらした」と言う。

メンバーが被災地に入って経験したことを踏まえてつくられた「地球サミット2012Japanからの政策提言」は昨年11月、日本からのINPUTとして、国連のリオ+20事務局に届けられた。

12月にはニューヨークの国連本部で行われた第2回インターセッショナル会合にメンバーが参加し、今年1月10日には、リオ+20の事務局から、6月の本番での議論の土台となる「ゼロドラフト」が公表された。そのなかには、日本からの提言が多く盛り込まれている。震災で日本は世界中の支援を受け、原発事故で世界中に迷惑をかけた。だからこそ、この経験を生きる知恵に変えて、地球の未来のために活かさなければならない。

Japan VOICESを通じて、リオ+20へ、私たち1人ひとりの声を届けよう。

※「地球サミット×ソーシャルメディアThe Future We Want(1)」はこちら

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