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コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

「面白くて・普通なオジサン、オバサンの設計図」

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廣瀨 雄規(出版社・光文社/編集・ライター養成講座27期 修了生)

長く就職活動を続けている間に、編集・ライター養成講座へためしに通っていた。

編集・ライター養成講座を受講して良かったことは2つある。編集者という職種の人たちは、意外と普通のオジサン、オバサンだったと分かったこと。

講座の開かれる教室は小ぶりで、だいたいみんな平等。その教室の中では、「クリエイティブな人」のオーラが削がれて、ただの隣人に見えてくる。

どこかで見たあの人がトイレで隣に立っていることもある。編集者はそんなに特別な人じゃなさそうだぞ、と気づけたのは収穫だった。

もう1つは、そんな普通のオジサン、オバサンが、どんどん面白い言葉を投げかけてくること。こればかりは参加してみないと分からない。

業界の最先端のまた一歩先を全速力で走っている人たちの言葉なので、切れ味がすごい。文字に起こせないような言葉もどんどん飛び出す。

「会社に入ったら、誰よりも雑用をやりなさい。みんなの仕事の流れが分かるようになる」すごくもっともで、忘れられない。
「編集者は自分の大好きな人たちと仕事できる楽しい仕事だよ」めっちゃいいな!
「お前ら××××え!」これは刺激的すぎた。
「○○○○○より面白いもの作る自信あるから」これも刺激的すぎた。
「地球規模でモノを考えなさい。」これを、胡散臭くなく言える人はそうはいない。

浴びるように、忘れられない言葉をもらえた貴重な日々だった。

生まれつきのホクロみたいに、捨て置けず、一生自分に染みついて生きていく言葉ばっかりだった。

編集・ライター養成講座が終わって少ししてから、縁あって内定が決まった。

会社に入って、編集の見習いとして、多くの人にアドバイスをもらうのが、「人に会え!」「読者に会え!」ということである。

「がむしゃら」に「会う」。面白い企画や面白いことなんて自分の中に眠っている分量はたかが知れている。自分の中のものより、人の中に眠っているもののほうが必ず多い。生きてきた前提が異なる、色んな人に会い、その考え方に触れ、自分の中に落とし込んでいく。人と会うことで、その人の考え方や、知見を自分のもの(のように)できるので、何かにつけ一言物申せるようになってくる。

出版社、編集者、いや、人は、言葉を扱って生きている。何かしら物申せるようになれば、慣れてくると、きっと面白いことを言える。一方で色んな人に会い、年をとるから、次第に角が取れてくる。

そうやっていくうちに、きっと、いつしか面白い言葉を誰しもに投げかけられる、普通のオジサン、オバサンになっているのかもしれない。

廣瀨 雄規
1989年生まれ。編集・ライター養成講座27期修了生。
大学在学中に、ほがらかな出版社や、のんべえな街の本屋でのお手伝いなど
を経て、出版社・光文社の某書籍編集部で元気に編集者見習い中。
editor

『編集・ライター養成講座 総合コース』
講師陣は、総合誌、週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌、Webメディアなどさまざまな分野の現役編集長や、第一線で活躍中のライター・ジャーナリスト・作家など。多くの課題添削、実践トレーニングを通じて、現場で活躍できる編集者、ライターを養成します。

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