今回は特別編として、12月に宣伝会議より『なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか。』を出版予定の電通若者研究部の小島雄一郎氏、西井美保子氏を加え、下北沢の書店B&Bで3人によるトークショーが開催されました。「コンプレックス」という共通点を持つ3人が、本音で語り合います。
特別座談会「コンプレックスを力に変える仕事術〜電通の若手プランナーによる楽しい仕事の創り方、紹介します。〜」
アクティベーション・プランナー
小島雄一郎 氏
×
ストラテジック・プランナー
西井美保子 氏
×
コミュニケーション・デザイナー
廣田周作 氏(『SHARED VISION―相手を大切にすることからはじめるコミュニケーション』著者)
【前回記事】〜電通の若手プランナーによる楽しい仕事の創り方、紹介します。〜(前編)はこちら
ポジティブな推進力に変わる瞬間
西井:それまでコンプレックスに感じていたことがポジティブな感覚に変わった瞬間はありますか。
廣田:僕の場合はデータ解析しかできない奴だと思われていたところを、ある時、僕のデータがとても役立つものと認めてくれる人がいた、みたいなことですね。
僕は、仕事を「規定演技」と「自由演技」みたいに分けて考えていて、リサーチャーとしてもとめられる規定演技をしっかりとやった上で、自由演技の部分に自分のアイデアをいっぱい入れて自主的に提案をしていました。あとは、マーケティングの本を週に2〜3冊読んで、ポイントをまとめた100ページくらいの「廣田メソッド集」みたいなものを作っていました。
それをつくっていると、何を聞かれてもだいたい返せるようになって。クライアントさんから「電通さん」ではなくて、「廣田さん」と呼ばれたときに、努力が報われたと思いましたね。
小島:私の場合は社会人になる、はるか前までさかのぼるのですが、小学4年生から中学2年までマレーシアに住んでいて日本に戻った時、「外国から来た転校生」として、なかなかなじめなかった体験がありました。
周囲に溶け込もうと、ことさら「普通であること」を意識していたら、帰国して半年後の三者面談で先生に「小島君は褒めたいくらい普通の子です」と言われて…。それは、戦略通りだったんですけど「小島君って超つまらない人間」って言われた気もして、ずっとコンプレックスになっていました。
それでバンドをやったり、美大を目指すと言ってみたりして変わった人、普通の人から外れる感じを目指したものの、結局自分の中にそういう部分がないので、うまくはいかなかった。
就職活動のとき誰かに、「広告の仕事では普通であることが価値になるんだ」と言われ、「いいんだ、これで」と思えたのが転機でしたね。
今は、たくさんアイデアを出す仕事をしていますが、それは普通というか「真ん中」がどこにあるかがわかっているので、そこを起点に少しずつつずらしていくことでアイデアを量産しています。
いきなりぶっ飛んだアイデアは出ないけど、真ん中がわかっているからたくさん出せて、出し切ったものを人のアイデアと組み合わせてクリエーティブジャンプを起こす、というようにポジティブに変えて仕事をしています。
西井さんは、どうですか。
西井:私は転校が多くて、小学校時代に5回転校しています。その度に自分をプレゼンテーションする機会があって、小学2年生のときに失敗して以来、人前に出ることが苦手になりました。第一印象が悪いと話したことの根本もここにあります。
高校時代はギャルだったんですけど、ギャルだと思われると周りから舐められます。高校3年で大学受験をしようと決めて、髪を黒くして、猛勉強して偏差値が上がると先生の態度が、がらっと変わりました。
そこで、自分の見た目を変えれば人の態度が変わる、自分が頑張った、変えた分だけリアクションがあることを実感しました。
小島:悪い印象を利用して、良い印象につなげられることに気づいたのがギャル時代ということですね。
転機としては、どこかのタイミングで「僕にはこんなコンプレックスがあります」って言えるようになることでしょうか。
最近、対談した山田ズーニーさんも、やっぱり発信することが大事で「コンプレックスあります」って言ってしまうと、それを埋めるために何か行動が必要になるといったことを話していて、言葉に出すというのは方法としてあるなと思いました。
廣田:コンプレックスのない人はいないので、言うことで共感から関係を作れるということもありますね。
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